局所進行子宮頸癌に対し、ネダプラチンを併用する同時化学放射線療法(CCRT)は有効で、安全性の面でも許容できると考えられる結果が、フェーズ2試験(KGROG0501)の初期解析から示された。7月19日から21日まで東京都で開催された第52回日本婦人科腫瘍学会学術講演会で、北里大学医学部放射線科学(放射線腫瘍学)の新部譲氏が発表した。

 局所進行子宮頸癌に対するCCRTは日本でも標準治療となり、実臨床ではシスプラチンだけでなくネダプラチンも使用されている。ネダプラチンはシスプラチンと比較して腎毒性が軽く、入院と外来のどちらでも使用しやすいという利点がある。

 新部氏らは同院において、局所進行子宮頸癌に対するネダプラチン併用CCRTの有効性と安全性を検証するフェーズ2試験を行った。同試験では全対象45人の登録が終了し、今回は初期解析の結果が報告された。

 対象は、FIGOによる臨床進行期分類でIb−IVa期の子宮頸癌で、以下の項目を満たす患者とした。1)Ib−IIb期では骨盤内リンパ節腫大あり(10mm以上)、または腫瘍最大径40mm以上、2)IIIa−IVa期、3)1)または2)で腹部傍大動脈リンパ節腫大(10mm以上)なし。年齢は75歳以下、PS 0-2とした。

 放射線治療は登録後2週間以内に開始し、外照射と腔内照射を併用した。外照射は1.8−2.0Gy/回で週5回行い、総線量50−52Gy(30−32Gyから中央遮断)とした。腔内照射は外照射19.8−32Gyを施行後に開始し、A点線量で1日1回5−6Gy、週1回で計4−6回行い、合計A点線量24−30Gyとした。化学療法も登録後2週間以内に開始し、ネダプラチン30mg/m2/回を週1回投与し、計5回行うこととした。

 主要評価項目は3年全生存率(OS)、副次的評価項目は3年局所制御率、2年および3年の無増悪生存率(PFS)などだった。PFSは、局所進行子宮頸癌に対する高線量率腔内照射を用いたCCRTの多施設共同フェーズ2試験(JGOG1066)の主要評価項目である。

 2005年6月から2010年5月までに45人(年齢中央値55歳)が登録された。IIIb期が28人(62.2%)で最も多く、病理組織型では扁平上皮癌が36人(80%)、腺癌9人(20%)だった。また最大腫瘍径が80mm以上の患者が9人(20%)含まれた。

 治療を完遂したのは44人(97.8%)だった。放射線治療は全例が完遂し、化学療法はグレード4の血液毒性が14日以上持続した1人が計4回で終了となった。

 経過観察期間中央値25カ月(2−63)において、完全奏効(CR)は36人、部分奏効(PR)は8人で得られ、PDとなった患者はいなかった。1人は評価前に死亡した。
 
 3年OSは68.5%となった。3年OSを病理組織型別にみると、扁平上皮癌の患者で76.0%、腺癌の患者で38.1%となり、腺癌で不良な傾向を認めた(p=0.061)。IIIb期の患者ではこの差が顕著となり、扁平上皮癌の患者で72.7%、腺癌の患者で22.2%と有意差がみられた(p=0.0189)。
 
 2年PFSは69.4%、3年PFSは63.7%となった。2年および3年の局所制御率はいずれも76.4%だった。3年局所制御率を病理組織型別にみると、扁平上皮癌の患者で87.7%、腺癌の患者で21.4%となり、腺癌で有意に不良だった(p<0.0001)。
 
 急性期の有害事象として、グレード3以上の血液毒性が24人に発現したが、グレード4の血小板減少は認めなかった。晩期の有害事象として、CTCAE ver3.0でグレード3の小腸・大腸のイレウスが5人に発現したが、RTOG/EORTG遅発性放射線反応評価基準のグレード3に該当したのは1人のみだった。
 
 同試験とJGOG1066試験の結果を比較すると、腺癌および腫瘍径が80mm以上の患者の割合は同試験で高かったにも関わらず、2年PFS、2年局所制御率はほぼ同等だった。

 同試験の最終結果は、来年5月までの経過観察期間終了後に発表される予定である。