プラチナ製剤抵抗性再発卵巣癌に対し、リポソーム化ドキソルビシン(PLD)30mg/m2を1日目に、ゲムシタビン1000mg/m2を1日目と8日目に投与し、3週間毎に3コース投与する治療は、日本人患者に認容性がある可能性が、単施設認容性試験から示された。7月19日から21日まで東京都で開催された第52回日本婦人科腫瘍学会学術講演会で、近畿大学医学部産科婦人科学教室の中井英勝氏が発表した。

 前治療からの無治療期間(PFI)が6カ月未満の化学療法抵抗性再発卵巣癌治療には、主に単剤化学療法が推奨されているが、その有効性は不良である。

 そのため中井氏らは、化学療法抵抗性再発卵巣癌に対するプラチナ製剤を含まない併用療法の有効性と安全性を検討するため、固定用量でのPLDとゲムシタビンによる併用療法の単施設認容性試験を実施した。

 プロトコール治療では3週間毎の投与を3コース行うこととし、PLD30mg/m2を1日目に、ゲムシタビン1000mg/m2を1日目と8日目に投与した。顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤は保険適応に従って投与可能とし、輸血については許容されない支持療法とした。

 次コースの開始基準は、PS 0−2、好中球数1000/mm3以上、ヘモグロビン値9.0g/dL以上、血小板数100000/mm3以上、手足症候群・口内炎はグレード1以下、上記以外の血液毒性はグレード2以下とした。投与予定日から2週間以上これらの基準を満たさない場合、ゲムシタビンを800mg/m2に減量した。投与中止基準は、現疾患の増悪(PD)、減量後も有害事象のため2週間以上の治療延期が必要な場合、投与予定日から4週間以上の治療延期が必要な場合、左室駆出率(LVEF)が45%未満となった場合、グレード4の非血液毒性の発現時とした。
 
 対象は、上皮性卵巣癌再発と診断され、プラチナ製剤を含む前化学療法から再発・PDまでの期間が6カ月未満の患者6人。平均年齢は64.8歳、PSの中央値は1、前治療の平均レジメン数は1.3±0.4、平均PFIは3.2±1.5カ月だった。FIGOの手術進行期分類では、Ic期1人、IIIc期3人、IV期2人だった。病理組織型では、漿液性腫瘍3人、粘液性腫瘍2人、明細胞腫瘍1人だった。

 血小板減少で1人、口内炎による投与延期で1人が治療中止となったが、6人中4人でプロトコール治療の完遂が可能だった。プロトコール治療を完遂した患者の平均治療コース数は7±2で、投与中止理由はPDと血小板減少がそれぞれ33.3%、口内炎が16.7%だった。
 
 部分奏効(PR)は50%で得られ、奏効率は50%となった。安定状態(SD)は0%、PDは50%だった。無増悪期間(TTP)中央値は8カ月だった。