子宮体癌や子宮癌肉腫の患者では、健常人や子宮筋腫の患者に比べ、循環内皮細胞(CEC)値が高く、また早期例に比べて進行例で高い傾向にあることが確認された。さらに血漿中のangiopoetin-2は筋層浸潤や脈管侵襲の有無と関連し、予後予測マーカーとして有用である可能性が示唆された。国立がん研究センター中央病院乳腺科・腫瘍内科の温泉川真由氏らが、7月19日から21日に都内で開催されている第52回日本婦人科腫瘍学会学術講演会で発表した。

 CECは血管障害の指標と考えられ、大腸癌など他の癌種で健常人に比べてCEC値が高くなることが報告されている。また基礎研究でCECは腫瘍血管新生と相関することから、血管新生阻害剤の効果予測因子として検討されている。

 研究グループは、子宮体部腫瘍と診断された患者20人(うち2人は子宮筋腫)を対象に、術前および術後約1年後に採血してCEC値を測定し、健常人53人と比較した。患者18人のうち、組織型別に複雑型子宮内膜異型増殖症が1人、類内膜腺癌が11人、漿液性腺癌が3人、癌肉腫が3人だった。進行期別には、0期が1人、I/II期が13人、III/IV期が4人であった。

 この結果、子宮体癌や子宮癌肉腫の患者では、健常人や子宮筋腫の患者に比べて、有意にCEC値が高かった(p=0.02)。腫瘍体積とCEC値には相関はなかった。手術前に比べて手術後にはCEC値は有意に減少していた(p=0.0028)ことから、「測定されたCEC値は、腫瘍からのCECであったことが示された」とした。

 進行期別にみると、早期(I/II期)に比べて進行例(III/IV期)のCEC値は高い傾向があった(p=0.079)。他の癌種と比べたところ、肝臓癌や乳癌ではCEC値は低いが、卵巣癌や子宮体部癌、癌肉腫では高いことが示された。

 また血漿蛋白量の測定から、angiopoetin-2値が筋層浸潤のある患者(p=0.058)および脈管侵襲のある患者(p=0.007)で有意に高かった。またG-CSFは筋層浸潤のある患者(p=0.045)で、HER2は類内膜腺癌以外の患者(p=0.016)で有意に高かった。