子宮頸癌および子宮体癌取扱い規約が、最近発表された国際産科婦人科連合(FIGO)のステージ分類(2008)に則って改定される。7月22日から札幌で開催された第50回日本婦人科腫瘍学会学術講演会で、札幌医科大学産婦人科の齋藤豪氏が、進行期の部分について、FIGO2008を解説した。

 FIGO2008では、子宮頸癌、子宮体癌のうち上皮内癌0期は進行期から除外されため、本取扱い規約でも上皮内癌0期は進行期から除外することになりそうだ。

 子宮頸癌のI期(子宮頸部に限局)に従来からの変更点はないが、II期では新たにIIA期(膣壁浸潤が認められるが子宮傍組織浸潤はない)にサブ分類が設定され、病巣が4cm以内のもの(IIA1期)と4cmを超えるもの(IIA2期)とされた。なお、III期とIV期の定義については従来からの変更はない。

 今回の改定では臨床進行期分類が採用されたが、手術進行期分類とどちらを採用すべきかについては常に議論がある。手術治療が必須の初期病変においては、腫瘍サイズや膣・基靭帯浸潤などの局所病変を評価する手術進行期分類は有用だが、局所進行病変や末期病変などの初回手術不能例では腫瘍サイズや膣・基靭帯浸潤などを評価することは不可能である。齋藤氏は、発展途上国では手術進行期分類を適応できない症例がほとんどを占めており、FIGO2008では発展途上国の現状に配慮して臨床進行期分類を採用したと述べた。なお、臨床進行期分類は原則として治療前に決定し、以後これを変更してはならない。

 また、進行期分類の決定に迷う場合には軽い方の進行期に分類するとされ、従来FIGOでは習熟した医師による麻酔下の診察を「必須」としていたが、今回の改定で「望ましい」と変更された

 さらに、従来の進行期分類では、「CTやMRI等による検査結果は治療計画決定に使用するのはかまわないが、進行期決定に際しては、これらの結果に影響されてはならない」とされていたが、今回の改定で「CTやMRI等による画像診断を腫瘍の進展度合いや腫瘍サイズの評価に用いても構わない」とした。

 次に齋藤氏は、子宮体癌の新しい進行期分類について解説。まず、旧分類のIA期(子宮内膜に限局)とIB期(筋層浸潤2分の1未満)の予後は変わらないことが明らかになったことから、これらは統合され、新分類ではIA期(筋層浸潤2分の1未満)とIB期(筋層浸潤2分の1以上)の2細分類となった。また、旧分類のIIA期(頸管腺のみへ進展)とIIB期(頸管間質組織に浸潤)を分類する意味はないことが指摘され、新分類ではII期(子宮頸部間質に進展を認めるが子宮を超えていない)に統合された。なお、旧分類IIA期は新分類ではI期に分類される。

 さらに進行期決定から腹水(洗浄)細胞診を除外したため、新基準によるIIIA期は子宮漿膜が附属器に進展している症例となり、腹水(洗浄)細胞診は考慮されなくなった。さらにリンパ節転移に関しては骨盤リンパ節転移と傍大動脈転移を分けて分類することとなり、骨盤リンパ節転移例は傍大動脈リンパ節転移例に比べて予後は良好であるため、旧進行期分類のIIIC期が変更され、骨盤リンパ節転移のみの症例をIIIC1期、傍大動脈リンパ節転移があればIIIC2期と分類することになった。なおIV期については従来からの変更はない。

 また、従来、子宮内膜異型増殖症は日産婦1995分類により0期として登録してきたが、FIGO2008分類に従い0期のカテゴリーを削除することになる。子宮内膜異型増殖症の登録については、日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会が別に行うこととなる。