子宮体癌に対するパクリタキセルエピルビシンカルボプラチン併用は、認容性が高く、進行症例に対して高い奏効率が期待できることが示された。術後補助療法としてIII期では放射線療法に比べて有効で、III期、IV期ではTC療法よりも有効であることも明らかとなった。7月22日から札幌市で開催された第50回日本婦人科腫瘍学会で、大阪大学産婦人科(現大阪警察病院産婦人科)の高田友美氏が発表した。

 この研究は大阪婦人科腫瘍グループ(the Gynecologic Oncology Group of Osaka:GOGO)が実施した臨床試験。GOGOは、子宮体癌に対して認容性の高い多剤併用療法を確立するため、パクリタキセルの併用薬剤としてシスプラチンより神経毒性が少ないとされるカルボプラチンを用い、エピルビシンとともに3剤併用療法(TEC療法)として効果と認容性を検討した。

 対象は、評価可能病変を有する進行症例、および再発症例。また、術後補助療法としての検討を行うため、根治術後の再発中・高リスク症例を対象とした。再発中・高リスク症例は、残存病変1cm以下で筋層浸潤2分の1以上、類内膜腺癌グレード3、漿液性腺癌、明細胞腺癌ステージIII、IVの症例とした。

 評価可能病変を有する進行症例、再発症例に対する評価項目は抗腫瘍効果、副作用で、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)とし、根治術後の再発中・高リスク症例に対する評価項目は全生存期間(OS)と副作用、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)とした。

 TEC療法は、パクリタキセル150mg/m2、エピルビシン50mg/m2、カルボプラチンAUC=4を3〜4週ごとを1コースとして6コース(中リスク群は3コース)実施した。

 対象患者は、評価可能病変ありの進行症例20例、再発症例10例、術後再発中・高リスク症例99例。いずれのグループとも年齢中央値は56、57歳で、類内膜腺癌が60〜70%と最も多く、進行症例グループではステージIVが65%と多く、再発症例グループではステージIIIが70%、再発中・高リスク症例グループはステージIが36%、ステージIIIが44%だった。

 抗腫瘍効果は、進行症例グループにおいて、類内膜腺癌でCR 2例、PR 9例、SD 1例、PD 1例で、奏効率は85%、非類膜腺癌ではCR 1例、PR 2例、SD 0例、PD 3例で、奏効率は75%だった。再発症例グループにおいては、類内膜腺癌でCR 0例、PR 4例、SD 0例、PD 3例で、奏効率は57%、非類内膜腺癌ではCR 0例、PR 1例、SD 0例、PD 2例で、奏効率は33%だった。

 有害事象については、好中球減少がグレード3、4でそれぞれ27%、67%と多く、神経症状、心機能異常についてはグレード3、4は見られなかった。中止例は4例(全体の3%)で、有熱性好中球減少症によるものが2例、食欲低下・倦怠感によるものが1例、パクリタキセルによるショックによるものが1例だった。減量は3例(全体の2%)で、有熱性好中球減少症による3例だった。

 PFSとOSは、進行症例でそれぞれ12カ月(3-53カ月)、26カ月(5-57カ月)、再発症例でそれぞれ6カ月(2-16カ月)、19カ月(4-53カ月)だった。なお、再発中・高リスク症例のPFS、OSはそれぞれ36カ月(1-108カ月)、37カ月(2-108カ月)だった。

 これらの結果から、進行症例に対するTEC療法の抗腫瘍効果は類内膜腺癌で85%、その他の組織型で75%で、グレード3、4の好中球減少を94%に認めたが、その他の副作用は軽微で認容性が高いことが確認された。

 次に、同時期に術後放射線療法を施行した43例とTEC療法を施行した再発中・高リスク症例99例をレトロスペクティブに解析した結果、全体ではTEC療法と放射線療法の間でPFS、OSに有意差は見られなかった。しかし、ステージIII症例に限るとTEC療法は放射線療法と比べてPFS、OSともに有意に良好であることが示された。

 最後に、ステージIII/IVの子宮体癌に対する術後補助療法としてTEC療法とTC療法(パクリタキセル+カルボプラチン)の効果を比較した結果を報告した。

 TEC療法は大阪大学を受診した患者、TC療法は大阪府立成人病センターを受診した患者を対象として検討した。2施設間で術式の選択、術後補助療法の適応基準は同じで、レトロスペクティブに解析した。

 その結果、2施設間比較では、子宮体癌ステージIII、IVに対する術後補助療法として、TEC療法がTC療法よりもPFS、OSともに有意に改善することが示された。

 これらの結果から高田氏は、「子宮体癌に対してTEC療法は効果、認容性が高く、術後補助療法としてIII期例には放射線療法より効果が高い。また、III期、IV期例に対する術後補助療法としてはTC療法よりもTEC療法の方が有効だった」とまとめ、今後、大規模な臨床試験で有効性を検討する必要があると締めくくった。