再発上皮性卵巣癌患者において、セカンドライン化学療法の効果は再発・転移の部位により異なる可能性が示された。7月22日から札幌市で開催されている第50回日本婦人科腫瘍学会で、慶應義塾大学産婦人科学の片岡史夫氏が発表した。

 抗癌剤の効果は、臓器や組織、細胞により異なることが知られている。そこで片岡氏らは、完全奏功と部分奏功を合わせて規定した奏功率、完全奏功・部分奏功・安定状態を合わせて規定した臨床的有効率と、再発部位、Platinum感受性、レジメン、組織型との関連性をレトロスペクティブに検討し、その結果を報告した。試験の目的は、上皮性卵巣癌において、転移・再発部位により、化学療法の奏功率が異なるか否かを検証することだった。

 対象は、1998年から2008年までに、手術とTC療法(パクリタキセル+カルボプラチン)を併用する標準治療を施行した後に再発し、セカンドライン化学療法を施行した患者のうち、画像上測定可能な病変を有する44人。年齢の中央値は55歳(31-74歳)だった。再発がファーストラインのTC療法の6カ月以上後だった場合はPlatinum感受性とし、6カ月以内だった場合にはPlatinum抵抗性とした。

 孤発性再発だったのは29例(65.9%)で、腹腔内8例、リンパ節3例、骨盤内10例、肝臓4例、肺4例だった。残り15例は多発性再発であった。全再発例でのセカンドライン治療の奏功率は30%で、臨床的有効率は51%だった。Platinum感受性24例では、セカンドライン化学療法の奏功率は50%、臨床的有効率は67%だった。Platinum抵抗性患者20例では、奏功率5%、臨床的有効率は30%だった。

 Platinum感受性別に、転移・再発部位ごとの奏功率をみると、リンパ節は、Platinum感受性患者の場合奏功率100%、臨床的有効率も100%だった。一方、Platinum抵抗性患者の場合、奏功率は0%、臨床的有効率は80%だった。骨盤内ではPlatinum感受性患者の場合の奏功率と臨床的有効率は20%と60%だったのに対し、Platinum抵抗性患者では13%と50%だった。腹腔内の場合は、感受性患者ではそれぞれ55%と73%だったのに対し、抵抗性患者では17%と17%。肝臓転移では感受性患者で33%と33%に対し、抵抗性患者では0%と29%。肺転移では、感受性患者では50%、67%に対し、抵抗性患者では0%と50%だった。

 再発・転移部位別に奏功率をみると、リンパ節の奏功率が44%、臨床的有効率が89%。骨盤内の奏功率は15%、臨床的有効率が54%。腹腔内が41%と53%。肺が38%と63%だった。肝臓は奏功率が10%、臨床的有効率が30%と、他の部位に比べて低い傾向にあった。
 
 これらの結果から、片岡氏は「セカンドライン化学療法を行った場合、Platinum感受性患者は抵抗性患者と比較して、有意に奏功率および臨床的有効率が高かった。また、再発部位別に検討すると、肝臓への奏功率が低い傾向がみられた」とし、再発・転移部位別に治療を変えていく必要の可能性を指摘した。