進行腎細胞癌に対するスニチニブ投与において、治療スケジュールを変更した投与法は減量を回避し、有害事象も減少させることが示された。スケジュールを変更しても用量強度や奏効率に違いは認められなかった。10月24日から26日まで京都市で開催された第51回日本癌治療学会学術集会で、九州大学泌尿器科の宋裕賢氏が発表した。

 2006年から2012年までに同院を受診し、スニチニブ治療を受けた患者53例を対象に、投与スケジュールと有害事象の発生について検討した。

 1サイクル目は全例が標準治療を受けたが、このうち12例が有害事象(5例)、病勢進行/再発(3例)、健康感の悪化(3例)、同意撤回(1例)で除外され、41例が2サイクル目に移行した。この41例のうち29例は標準スケジュールである4週投与2週休薬を継続したが、12例は変更したスケジュールで投与を受けた。

 12例のうち、9例は50mgを3週投与したところで有害事象が認められたため、2サイクル目は50mgを2週投与、37.5mgを2週投与、2週休薬のスケジュールで行った。12例中2例については50mgを2週投与したところで有害事象が認められたため、2サイクル目は37.5mgを2週投与し1週休薬するスケジュールで行った。また12例中1例については50mgを1週投与したところで有害事象が認められたため、2サイクル目は37.5mgを5日間投与した後2日間休薬する「平日投与」スケジュールで行った。

 2サイクル目が標準スケジュールだったグループと変更スケジュールだったグループに分けて用量強度を検討した結果、標準スケジュールグループの1サイクル目の総投与量は平均965.9mg、中央値は962.5mg、2サイクル目の総投与量は平均955.6mg、中央値1000mgだった。一方、変更スケジュールグループの1サイクル目の総投与量は平均946.8mg、中央値950mg、2サイクル目の総投与量は平均956.4mg、中央値875mgで、2グループ間で統計学的に有意な差は認められなかった。

 2サイクル目で総投与量が増加した患者の割合は、標準スケジュールグループで34.5%、変更スケジュールグループで66.5%。有害事象で治療中断もしくは減量が必要となった患者の割合は、標準スケジュールグループで41.2%、変更スケジュールグループで16.7%だった。統計学的に有意な差ではなかったが、変更スケジュールの方が有害事象による中断が少ない傾向が認められた。

 2サイクル目における治療中断もしくは減量の理由は、標準スケジュールグループ(12例)のうち血小板減少が4例、疲労や発熱、不快感などが2例、アミラーゼもしくはリパーゼ上昇が2例、白血球もしくは好中球減少が2例、鼻出血1例、血清Cr値上昇が1例だった一方、変更スケジュールグループ(2例)では血小板減少1例、疲労や発熱、不快感などが1例だった。

 完全奏効+部分奏効を併せた奏効率は標準スケジュールグループが24.15%、変更スケジュールグループが25.0%で、2グループ間で差は認められなかった。

 これらの結果から宋氏は、2サイクル目に投与スケジュールの変更を必要とした例は29.2%存在したが、変更スケジュールで投与しても用量強度、奏効率は低下しなかったとまとめた。一方、標準スケジュールで継続したグループでは41.2%に有害事象による中断、減量が認められたが、変更スケジュールグループでは16.7%にとどまったとし、用量強度を維持しつつ投与スケジュールを変更することは、スニチニブの効果を十分に得るために有効であると締めくくった。