日本人の化学療法未治療の去勢抵抗性前立腺癌患者に対するabirateroneは忍容性があり、PSA値減少による有効性も期待できることが、フェーズ1試験から示された。10月24日から26日まで京都市で開催された第51回日本癌治療学会学術集会で、横浜市立大学泌尿器科の上村博司氏が発表した。

 abirateroneは選択的CYP17阻害薬で、精巣や副腎、前立腺癌におけるアンドロゲンの産生を阻害する。海外での用量は1000mgで、プレドニゾロンとの併用で1日1回空腹時投与となっている。ただし、CYP17を阻害することでプロゲステロンの相対的な増加をもたらし、その結果、低K血症や高血圧、浮腫が発生しやすいと考えられている。

 フェーズ1試験は、日本人患者における推奨用量を決定することが目的で、対象は化学療法未治療の去勢抵抗性前立腺癌。3つのコホートからなり、250mgを7日間投与した後、250mgを21日間+プレドニゾロン10mgを投与するグループ(9例)と、500mgを7日間投与した後、500mgを21日間+プレドニゾロンを投与するグループ(6例)、1000mgを7日間投与した後、1000mgを21日間+プレドニゾロンを投与するグループ(12例)とした。

 全27例の患者背景は、年齢中央値72歳、診断から最初の治療までの期間中央値は2.57年、登録時PSA中央値20.9ng/mL、登録時Gleasonスコア8以上だった患者の割合は85.2%、骨転移例が70.4%、軟部組織・リンパ節転移例は33.3%、内臓転移例は22.2%だった。PSは0だった症例が24例だった。

 追跡の結果、用量制限毒性は3コホートで1例ずつ認められ、250mg、500mgのコホートではそれぞれALT上昇、ALT上昇とγ-GTP上昇、1000mgでは唾液腺由来アミラーゼ上昇が認められた。グレード3以上の有害事象は27例中7例(26%)だった。

 その他の有害事象は、全体において、疲労が1例(3.7%)、体液貯留が4例(14.8%)、低K血症が12例(44.4%)、高血圧が6例(22.2%)、心機能障害が2例(7.4%)、肝機能テスト異常が12例(44.4%)だった。ただし、これらのうち、減量や治療中断、中止につながるものは認められなかった。

 PSA値の減少はいずれの用量でも認められたが、50%以上低下した症例は20例(70%)だった。

 これらの結果から上村氏は、「日本人においてabirateroneは250〜1000mgまで忍容性が高かった。肝機能障害は認められたが、休薬によってすみやかに回復した。有効性も認められ、今後の試験の結果が期待される」と語った。なお、現在、フェーズ2試験が進められている。