日本人の転移性腎細胞癌患者に対するスニチニブ投与において、標準的な用法である4週投与2週休薬(4投2休)と比べて、2週投与1週休薬(2投1休)による投与法は、有効性に差はなく、投与中断例は2週投与1週休薬のほうが少ないことが示された。東京女子医科大学泌尿器科の近藤恒徳氏が、10月24日から26日まで京都市で開催された第51回日本癌治療学会学術集会で報告した。

 日本人において、スニチニブの標準的な用法・用量である50mg4投2休で投与するスケジュールを適用した場合、1サイクル目に脱落する患者の約半数は有害事象が治療中止の原因とされている。また、日本人患者の95.1%がスニチニブ投与によりグレード3以上の有害事象を経験すると報告されている。一方、スニチニブは、十分な用量を十分な期間投与することで期待した効果が得られるため、有害事象をコントロールしながら適切な薬物血中濃度を維持することが重要と考えられている。

 そこで近藤氏らは、2投1休パターンや患者に応じた初期投与量の設定といった複数の試みを進めて、有効性と有害事象発生率を観察しており、2011年以降は多くの患者に対して2投1休を用いるようになっていた。開始用量についても、2011年以降は、65歳以上、腎機能(クレアチニン値が2mg/dL以上)、体重50kg未満の3項目のうち、1項目が当てはまる患者には37.5mg、2項目以上が当てはまる患者には25mgを用いてきた。

 今回、2009年1月から2013年1月までの間に、同院でファーストライン治療としてスニチニブが選択され、1サイクル以上の投与を受けた転移性腎癌患者48例を対象に分析し、より有効な投与パターンの同定を試みた。

 4投2休が適用された患者(4投2休群)は22例、2投1休が適用された患者(2投1休群)は26例だった。患者背景については、組織型やMSKCCリスク分類、開始用量などで2群間に差はなかった。

 検討の結果、1サイクル目、2サイクル目、3サイクル目の相対用量強度は、4投2休群が72.1%、69.5%、70.5%、2投1休群は70.8%、66.9%、66.2%で、どのサイクルにも有意差は認められなかった。

 奏効率にも有意な差は見られなかった。4投2休群では完全奏効(CR)が5%、部分奏効(PR)が43%、病勢安定(SD)が27%、進行(PD)が23%で、奏効率は48%だったのに対し、2投1休群ではCRが8%、PRが24%、SDは60%、PDが8%で、奏効率は32%だった。淡明細胞癌でIntermediateリスクだった計30例に限定して比較した結果、4投2休群のCRは7%、PRは60%、SDが26%、PDは7%で、奏効率は67%、2投1休群ではそれぞれ10%、28%、58%、4%で、奏効率は38%だった。

 無増悪生存期間(PFS)の中央値は、4投2休群が9.4カ月、2投1休群は18.4カ月だったが、統計学的に有意な差ではなかった(p=0.13)。しかし、2投1休の方が長く使用できて効果も持続する可能性が示唆された。淡明細胞癌でIntermediateリスクの患者グループではそれぞれ10.4カ月と8.9カ月で、こちらも有意な差ではなかった(p=0.51)。

 開始用量とPFSの関係を検討したところ、患者全体でも、淡明細胞癌でIntermediateリスクのグループにおいても、50mgで開始したグループと37.5mgで開始したグループの間に有意な差は認められなかった。なお、25mgで開始したグループは予後が不良な傾向が認められた。

 グレード3以上の有害事象の発生率は、4投2休群が73%、2投1休群は73%で差はなかった。両群の発生率に有意差が見られたのはあらゆるグレードの手足症候群で、4投2休群に有意に多かった(86%と58%、p=0.02)。

 減量が行われたのは4投2休群12例(53%)、2投1休群20例(77%)で有意差はなかったが(p=0.09)、投与中断はそれぞれ12例(53%)と7例(26%)で、2投1休群で有意に少なかった(p=0.04)。中断の原因として最も多かったのはグレード3以上の血小板減少症(それぞれ23%と12%)だった。

 PFSに影響を及ぼす要因について検討した結果、多変量解析でもハザード比が有意となったのは、組織型のみで、投与パターンや開始用量はPFSとは有意な関係を示さなかった

 これらの結果から近藤氏は、スニチニブの2投1休での投与と4投2休での投与の有効性、有害事象発生率に差はない一方で、投与中断は2投1休の方が少なかったことから、2投1休は患者のコンプライアンスを高め、スニチニブの効果を最大限にできる可能性があると締めくくった。