転移性腎細胞癌に対するアキシチニブの投与は、腫瘍縮小効果が高く、一般健康関連QOLの改善も得られたことが示された。2012年の承認取得から1年が経過し、実地診療での使用経験について、神戸大学腎泌尿器科学分野の三宅秀明氏が10月24日から京都市で開催されている第51回日本癌治療学会学術集会で発表した。

 アキシチニブは、1次治療に抵抗性を示した転移性腎細胞癌を対象としたフェーズ3試験(AXIS試験)で、ソラフェニブに対して有意に無増悪生存期間(PFS)を延長したことが示されている。

 三宅氏は、日本での実地診療におけるアキシチニブの治療成績を明らかにするため、同院でアキシチニブを投与した50例を対象に、抗腫瘍効果、有害事象、QOLについて検討した。

 50例の患者背景は、観察期間5カ月(範囲2-10)、年齢は66.5歳(38-88)、男性が84%で、Karnofsky OSが80%未満だったのが86.0%だった。組織型は淡明細胞癌が90.0%で、MSKCCリスク分類ではIntermediateリスクが最も多く78.0%、Favorableリスクが10.0%、Poorリスクが12.0%だった。転移臓器は、肺が86.0%、骨32.0%、肝28.0%、リンパ節16.0%、その他44.0%だった。

 アキシチニブが2次治療だったのは28例で、3次治療が15例、4次治療が5例、5次治療が2例だった。3次治療以降で投与しているのは薬剤の保険収載の時期のためとした。2次治療でアキシチニブを投与した28例について、1次治療での使用薬剤はスニチニブ16例、テムシロリムス7例、ソラフェニブ3例、サイトカインが2例だった。

 抗腫瘍効果は、何らかの縮小が得られた患者の割合は84.0%。部分奏効(PR)は8例(16%)、病勢安定(SD)は39例(78%)で、病勢コントロール率は94%だった。

 治療ライン別に検討した結果、腫瘍の縮小が得られたグループには2次治療でアキシチニブを使用した症例が多かった。腫瘍縮小率は2次治療のグループで−13.9±6.7%、3次治療以降のグループで−4.9±3.8%で、2次治療で使用したグループで有意に縮小率が高かった。

 有害事象は、全グレードとしては血小板減少6.0%、好中球減少2.0%、高血圧78.0%、発声障害62.0%、蛋白尿56.0%、下痢54.0%、手足症候群40.0%、甲状腺機能低下症40.0%、疲労26.0%、口内炎2.0%だった。グレード3以上では高血圧が50.0%、蛋白尿14.0%、下痢12.0%、手足症候群2.0%、疲労4.0%だった。

 同院では診療の際、一般健康関連QOLについて聞いており、50例のうち治療開始前と治療開始3カ月後でのQOLについて評価可能だった患者を対象に検討した結果、身体機能、身体的役割制限、痛み、全体的健康感、活力、社会生活機能、精神的役割制限、心の健康などについて治療開始前に比べて治療開始3カ月後は良好な傾向が認められ、特に全体的健康感、心の健康については有意に改善した。

 これらの結果から三宅氏は、8例のPRを含む42例に腫瘍縮小効果が認められ、特に2次治療での使用で効果が顕著だったこと、有害事象は高血圧、発声障害、蛋白尿、下痢を高頻度に認めたが、致死的となる可能性がある有害事象の発症はまれだったとまとめた。