タキサン製剤であるnab-パクリタキセル(製品名「アブラキサン」)が国内で発売されて2年になる。パクリタキセルの製剤化で使われる溶媒を使用していないため、過敏症予防の前投薬が不要で、点滴時間が短いといった利点がある。優れた有効性が確認されているが、診療現場では投与法や副作用に戸惑うこともある。

 聖マリアンナ医科大学乳腺・内分泌外科の津川浩一郎氏は多くの投与経験を踏まえて、nab-パクリタキセルの投与方法、分子標的薬との併用、安全性と副作用対策、さらに術前・術後補助療法としての可能性について、第50回日本癌治療学会学術集会学術セミナー「アブラキサンを用いた乳癌化学療法の新展開」(共催:大鵬薬品工業)で解説した。

nab-パクリタキセルの特性

 nab-パクリタキセルの成分であるパクリタキセルは、セイヨウイチイの葉や樹皮からつくられ、微小管に結合して脱重合を阻害することで、癌細胞の分裂を阻害する。パクリタキセルは水に極めて溶けにくいため、ポリオキシエチレンヒマシ油と無水エタノールを溶媒として製剤化されている。しかし、この溶媒によって、パクリタキセルの組織移行の阻害やアナフィラキシー様反応、遅発性感覚障害、またアルコール不耐や自動車運転への配慮が必要となる。

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