スニチニブを投与した進行腎細胞癌患者を後ろ向きに検討した結果、投与開始用量よりも、投与開始から1カ月間の相対用量強度を高めることと長期間治療を継続することが重要であることが示された。10月25日から横浜市で開催された第50回日本癌治療学会で、大阪大学泌尿器科の高山仁志氏が報告した。

 高山氏らは、大阪大学と関連14施設で、2008年4月から2011年6月までにスニチニブが投与された根治切除不能または転移性の腎細胞癌患者94例を対象に、投与開始1カ月における相対用量強度を算出し、予後との関連を検討した。

 年齢の中央値は66.0歳、男性が73例で、腎摘除術施行例は80例だった。MSKCCリスク分類では、favorableが28例、intermediateが45例、poorが14例、不明が7例。淡明細胞癌は65例で、転移巣数が1個だったのは41例、転移巣で最も多かったのは肺で、骨、リンパ節と続いた。スニチニブがファーストライン治療だったのは59例、スニチニブの開始用量は、50mgが58例、37.5mgが20例、25mgが16例だった。追跡期間の中央値は7.5カ月。

 1カ月の相対用量強度の中央値は64.3%(範囲12.5-100)で、開始用量が50mgでは74.3%、37.5mgでは53.6%、25mgでは44.3%だった。1カ月相対用量強度について、閾値を60%として2グループに分けて無増悪生存期間を比較した結果、60%超(49例)のグループは60%以下(45例)のグループに比べて有意に良好だった(p=0.038)。

 グレード3/4の有害事象で最も多かったのは血小板減少(31.9%)で、続いて白血球減少症(21.3%)、高血圧(9.6%)、手足皮膚症候群(6.4%)などだった。

 次に治療継続期間と転帰(RECIST基準に基づく評価、無増悪生存期間)との相関を検討した。治療期間が1コース以内に留まり、評価が可能だった12例と、2コース以上継続できた54例について、臨床利益(病勢コントロール率)を比較したところ、後者のほうが有意に大きかった(それぞれ8.3%、58.6%)。

 全例を対象に検討した結果では、治療期間が1コース以内だった患者は28例、2コース以上だった患者は66例で、無増悪生存期間の中央値はそれぞれ2.3カ月(95%信頼区間0.3-4.3)と8.3カ月(同2.8-13.8)だった。

 多変量解析を行った結果、MSKCCリスク分類(Intermediateに対するGoodのハザード比1.444、Poorに対するGoodのハザード比4.387)、1カ月の相対用量強度(60%以下に対する60%超のハザード比0.479)、治療期間(1コースに対する2コース以上のハザード比0.231)が有意な因子として見いだされた。

 なお、開始用量については、無増悪生存に対する有意な因子ではなかった。

 スニチニブを投与された進行腎細胞癌患者において、有害事象が少なからず発生しており、1コース以内で治療中止を余儀なくされた症例も多かったが、治療期間が長い場合、あるいは1カ月の相対用量強度が60%超の場合に予後が良好であることが示された。一方、開始用量は有意な影響を及ぼしておらず、治療期間をより長く、相対用量強度をより高くすることが治療成績を高めるために重要と考えられると締めくくった。