IVb期・再発子宮頸癌に対するパクリタキセル/カルボプラチン(TC)併用療法がパクリタキセル/シスプラチン(TP)併用療法に対して非劣性であることを示したフェーズ3試験(JCOG0505)の追加解析で、PSや年齢に加え、プラチナ投与後再発までの期間(PFI)が6カ月未満の患者では有意に予後不良であることが明らかになった。組織型や未照射病巣の有無などは有意な因子ではなかった。10月25日から27日まで横浜で開催された第50回日本癌治療学会学術集会で、同試験グループを代表してNTT東日本関東病院の喜多川亮氏が発表した。
 
 同グループは、2012年6月の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において、IVb 期・再発子宮頸癌のパクリタキセル(135mg/m2)/シスプラチン(50mg/m2)併用療法(TP)に対するパクリタキセル(175mg/m2)/カルボプラチン(AUC 5)併用療法(TC)の非劣性を証明したフェーズ3、多施設共同ランダム化比較試験(JCOG0505)の結果を発表した。

 同試験は、根治不能の子宮頸癌症例を対象に、TP、TC群に無作為に割り付けて両群を比較したもので、最終解析によると、観察期間中央値17.6カ月で、主要エンドポイントである全生存期間(OS)中央値はTP群18.3カ月、TC群17.5カ月(ハザード比:0.994、多重調整済み90%信頼区間:0.789-1.253、非劣性許容ハザード比:1.29、p=0.032)という結果が示され、TP療法に対するTC療法の非劣性が明らかになった。

 今回、喜多川氏らは、Brader氏らによる報告(J. Clin Oncol 1998; 16: 1879-84)に基づいて既知の予後因子の層別化を検討し、また、組織型で予後因子とされる腺癌が近年20%強に増加したことや、再発子宮頸癌の初回治療にシスプラチン併用化学放射線療法(CCRT)が標準治療となったことなどを背景に、同試験の予後因子の妥当性検証および同患者集団における新たな予後因子を探索した。

 JCOG0505試験の対象症例については、主な適格基準として、扁平上皮癌(SCC)または腺癌(non-SCC)、局所制御不能な遠隔転移を有するか骨盤内に照射既往のある再発巣を1つ以上有すること、プラチナ製剤投与既往は1レジメン(CCRTを含む)以内、タキサン製剤の投与既往なし、年齢20歳以上75歳以下であることが含まれた。

 そのうち、既知の予後因子であるPS(0/1または2)、組織型(SCC/non-SCC)、および全病巣の照射既往の有無、および施設が割付調整因子に設定されていた。

 そこで今回、喜多川氏らは、全患者224人のOSに関し、種々の背景因子別に単変量及び多変量Cox回帰を行った。

 単変量解析で有意差がみられたのは、年齢51歳以上(50歳以下に対し、ハザード比0.72、95%信頼区間:0.55-0.96、p=0.0221)、PS 1以上(PS 0に対してハザード比1.859、95%信頼区間:1.35-2.52、p=0.0001)、PFIが 6カ月未満(プラチナ投与なしに対してハザード比1.85、95%信頼区間:1.23-2.78、p=0.003)で、いずれも予後不良因子だった。PFI 12カ月以上(プラチナ投与なしに対し、ハザード比:0.60、p=0.009、95%信頼区間:0.41-0.88、p=00092)は予後良好であることが示された。

 PFI 6カ月以上12カ月未満(プラチナ投与なしに対し)、組織型、病期(初発IVb期/初再発/再々発)、病変部位、治療前合併症、プラチナ投与既往歴では有意差はみられなかった。既知の予後因子として割付調整因子に用いた組織型と放射線照射既往も単変量解析での有意差は認められなかった。

 さらに、多変量解析で有意差がみられたのは、PS 1以上(PS 0に対し、ハザード比:1.88、95%信頼区間:1.35-2.61、p=0.0002)およびPFI 6カ月未満(プラチナ投与なしに対してハザード比:2.21、95%信頼区間 1.40-3.21、p=0.001)で、これらは、単変量、多変量ともに有意に予後不良因子だった。

 喜多川氏は、未照射病巣の有無は、今後の予後因子とならず、プラチナと併用するパクリタキセルなど第3世代抗癌剤の進歩が治療効果の増強に寄与した可能性を示唆した。また、組織型は予後因子とならなかったが、非扁平上皮癌に有効性の高いパクリタキセルの治療効果の可能性が考えられると考察した。

 IVb期・再発子宮頸癌に対するこの前向き臨床試験の予後因子の探索は、同一系統薬剤による治療症例の解析として対象患者数が最多であり、「化学放射線療法が初回標準治療である子宮頸癌において、PFI 6カ月未満が新たに予後不良因子として判明したことは実臨床でも重要な知見だと思われる。今後の同様の対象における臨床試験では、これらを割付調整因子として検討することが適当と考えられる」と同氏は結論した。