切除不能進行・再発大腸癌に対し、1次治療としてのmFOLFOX6+セツキシマブ併用療法を前向きに検証した日本の第2相試験において、奏効率は66.7%、早期の腫瘍縮小率は80%となり、有用性と安全性から、同併用療法は日本において1次治療の選択肢の一つとなると考えられた。日本がん臨床試験推進機構(JACCRO)によるJACCRO CC-05試験の第1報から明らかになったもので、10月25日から27日まで横浜市で開催されている第50回日本癌治療学会学術集会で、防衛医科大学校病院腫瘍化学療法部の市川度氏が発表した。

 「大腸癌治療ガイドライン 医師用 2010年版」では、FOLFOX+セツキシマブ併用療法がKRAS遺伝子野生型の切除不能進行・再発大腸癌に対する1次治療の一つとして推奨されている。しかし、日本におけるmFOLFOX6+セツキシマブ併用療法の有用性と安全性についての知見は少ない。

 そのためJACCROでは、EGFR陽性・KRAS遺伝子野性型の切除不能進行・再発大腸癌に対する1次治療としてのmFOLFOX6+セツキシマブ併用療法について、効果と安全性を評価する多施設共同の第2相試験を実施した。主要評価項目は奏効率で、今回は同試験の第1報として、奏効率と安全性が報告された。

 対象は、EGFR陽性・KRAS遺伝子野生型(codon12、13)の切除不能進行・再発大腸癌で、PS 0または1の患者。術後補助療法の治療終了から6カ月以上経過して再発した症例は可としたが、セツキシマブまたはオキサリプラチンの投与歴がある症例は除外した。

 2週を1コースとして、次の治療を「プロトコール治療終了・中止基準」に該当するまで繰り返した。セツキシマブは、初回は400mg/m2を1日目、2回目以降は250mg/m2を1日目と8日目に投与した。mFOLFOX6では、オキサリプラチン85mg/m2を1日目、レボホリナート200mg/m2を1日目、5-FU 400mg/m2の急速静注を1日目、5-FU 2400mg/m2の持続静注を1-3日目に、それぞれ投与した。同試験では、閾値奏効率を34%、期待奏効率をOPUS試験の結果から57%と設定し、α=0.05、β=0.10として、目標症例数は54人とした。

 2010年8月から2011年9月までに57人が登録され、RECIST基準による評価可能症例は54人(年齢中央値60歳、男性65%)となった。肝転移巣を有する患者が65%、転移巣の臓器数が2個以上の患者が60%を占めた。

 結果として、施設外効果判定委員による判定で完全奏効(CR)は5人(9.3%)、部分奏効(PR)は31人(57.4%)で得られ、奏効率は66.7%(95%信頼区間:53.36−77.76)となり、主要評価項目は達成された。病勢コントロール率は85.2%となった。8週時点で20%以上の腫瘍縮小を認めた患者は40人(80%)に上った。

 現時点の無増悪生存期間(PFS)中央値は11.1カ月、生存期間中央値(MST)は未到達である。

 臨床検査におけるグレード3以上の主な有害事象は、好中球減少の46%、白血球減少の20%、血小板減少の7%などだった。また、グレード3以上のざ瘡様皮疹は19%、皮膚症状全体(ざ瘡様皮疹、爪周炎、手拳・足底発赤知覚不全症候群など)でのグレード3以上の事象は30%に発現した。グレード3以上の末梢性感覚ニューロパチーは15%に発現した。治療関連死亡は1人で、腫瘍崩壊症候群に伴う播種性血管内凝固によるものだった。

 治療を終了・中止した48人中、6人は奏効により外科的切除術の適応となり、CR継続のため別治療に移行したのは2人だった。病勢の進行(PD)による終了・中止は17人で、6人は投与継続中である。治療回数中央値は、mFOLFOX6が10回、セツキシマブが21回となった。

 市川氏によると、現在、1次治療としてのSOX(S-1+オキサリプラチン)+セツキシマブ併用療法を検討する第2相試験(JACCRO CC-06試験)が進行中である。