進行・再発大腸癌に対するベバシズマブを併用したmFOLFOX7療法+オキサリプラチン間欠投与は、FOLFOX+ベバシズマブを増悪まで継続投与したこれまでの臨床試験と同様の有用性が確認された。またmFOLFOX6からボーラス5-FUを除いたmFOLFOX7でも日常臨床上、十分利用可能だと考えられた。10月27日から名古屋市で開催された第49回日本癌治療学会学術集会で、済衆館病院外科の川崎晋吾氏が発表した。

 FOLFOXとベバシズマブの併用療法は進行・再発大腸癌に対する初回化学療法の標準治療の1つだが、オキサリプラチンに起因する末梢神経障害により治療を中断する必要があるケースは多く、オキサリプラチンの間欠投与について検討され、末梢神経障害の改善が報告されている。

 海外で実施されたCONcePT試験では、mFOLFOX7療法+ベバシズマブ併用療法でmFOLFOX7療法のオキサリプラチンを間欠投与するレジメンについて検討され、重篤な末梢神経障害や血球減少の頻度が減少することが示されていた。有効性についても、5-FUのボーラス投与を行うmFOLFOX6+ベバシズマブ併用療法と比べて遜色がないことが示されていた。しかし、この試験は途中で有効中止されていた。そこで同グループは、mFOLFOX7(オキサリプラチン間欠投与)+ベバシズマブの有効性を評価するフェーズ2試験(CRAFT試験)を実施し、今回、有効性と安全性について報告した。

 CRAFT試験は、未治療切除不能進行再発大腸癌52例を対象に、オキサリプラチン85mg/m2+5-FU 2400mg/m2+LV 200mg/m2+ベバシズマブ5mg/kgを8サイクル投与し、次に8サイクルの間、オキサリプラチンを中断して投与し、その後、最初の8サイクルと同じ治療を8サイクル行い、後は24サイクルまたは増悪まで投与するというもの。症例集積期間は2009年2月〜20101年6月まで。

 主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は治療成功期間、安全性、奏効率、生存期間とした。

 52例の患者背景は、平均64歳、男性32例、PS 0が43例、PS 1は9例、原発巣が結腸癌だったのは25例、直腸癌が27例だった。転移部位は肝臓、肺、リンパ節、腹膜がそれぞれ34例、21例、12例、5例。原発巣切除済みが半数だった。

 追跡の結果、PFS中央値は13.2カ月(95%CI:10.3-15.0)、治療成功期間(TTF)中央値は10.3カ月(95%CI:5.6-12.1)だった。

 オキサリプラチン再導入率は56.3%で、CRは0例、PRは23例(50.0%)、SDは19例(41.3%)で、奏効率は50.0%だった。

 過去に実施された、NO16966試験(FOLFOX4/XELOX+ベバシズマブとFOLFOX4/XELOX+プラセボを比較)ではベバシズマブ投与群のPFS中央値は9.4カ月、HORIZON III試験(mFOLFOX6+ベバシズマブとmFOLFOX6+cediranibを比較)ではベバシズマブ投与群のPFS中央値は10.3カ月と報告されている。これらはいずれもオキサリプラチンを間欠投与しない従来のFOLFOX療法で、今回のCRAFT試験のPFS13.2カ月はこれらの試験と同様であるとした。

 安全性について、プロトコール治療が一度でも施行された全症例(51例)について解析を行った結果、発現した有害事象のほとんどがグレード2以下、最も多かったグレード3/4の有害事象は好中球減少で4例(7.8%)だった。グレード3/4の末梢神経障害は、全治療を通じて2例(3.9%)だった。プロトコール治療を中止した理由を検討した結果、病勢増悪が13例、肝切除が2例、有害事象10例、患者拒否が4例で、有害事象の内訳はアレルギーが3例、静脈血栓塞栓症が2例、蛋白尿、末梢神経障害、ヘルペス、イレウス、食欲不振が各1例ずつだった。

 COncePT試験では、末梢神経障害の発症率は、オキサリプラチンを間欠投与した群で8%、オキサリプラチンを間欠投与しなかった群で24%、HORIZON III試験での発症率は9.7%という結果が得られているが、本件棟では3.9%で、発現頻度を減らすことが出来たとしている。

 川崎氏は、本検討から、mFOLFOX7(オキサリプラチン間欠投与)+ベバシズマブ併用療法は、5-FUのボーラス投与を除き、オキサリプラチンを間欠投与するものであっても、mFOLFOX6+ベバシズマブ併用療法と同等であることが示唆されたこと、重篤な好中球減少症と末梢神経障害の発現頻度を減らすことが明らかになったとし、ベバシズマブ併用mFOLFOX7療法オキサリプラチン間欠投与の日本人における有効性と忍容性が確認されたと締めくくった。全生存期間は来年以降に報告する予定だ。