肺や肝臓など重要臓器転移を有する進行・再発乳癌に対し、ゲムシタビンパクリタキセル併用療法(GEM+triweekly PAC)は、実地臨床においても有効で、安全に実施できることが示された。10月27日から名古屋市で開催されている第49回日本癌治療学会学術集会で、九州がんセンター乳腺科の久芳さやか氏が発表した。

 同グループは、2010年3月から2011年4月に診断された、進行乳癌1例、再発乳癌4例の計5例を対象に、ゲムシタビン+パクリタキセル併用療法(GEM+PAC療法)の効果と安全性を評価した。

 治療レジメンは、3週1コースとし、ゲムシタビン1250mg/m2を1日目、8日目に、パクリタキセル175mg/m2を1日目に投与するものとした。2〜3カ月ごとに画像評価を行い、病勢安定(SD)以上が得られた治療奏効期間と副作用について検討した。

 対象患者は、進行乳癌1例では45歳、ステージIVで、肺、骨、リンパ節に転移があり、一次治療としてGEM+PAC療法を受けた。再発乳癌4例は34〜52歳、ステージIIaが2例、ステージIIbが2例、無病生存期間は12〜37カ月で、肺、肝臓、リンパ節、骨、副腎などに転移していた。一次治療としてGEM+PAC療法を受けたのは2例、二次治療として受けたのが1例、五次治療として受けたのが1例だった。術後補助療法としてCEFやEC、AC、TAM、DOCなどを受けていた。進行例も併せて5例ともER、PgRが共に陽性で、HER2はいずれも陰性だった。

 追跡の結果、部分奏効(PR)が得られたのが3例、SDだったのが2例。奏効期間は8〜14カ月で、奏効期間中央値は11カ月だった。2例は現在も治療継続中だ。

 副作用については、1例にグレード3の白血球減少が見られたが、ゲムシタビンの投与間隔を2週に1回投与として継続できた。五次治療だった1例にグレード4の白血球減少が見られたが、GEM+PAC療法について20%減量することで継続することができた。

 これらの結果から、肝転移や肺転移例を含む進行・転移乳癌に対するGEM+PAC療法は、PR 3例、SD 2例で、進行までの期間中央値は11カ月。白血球減少は2例に認められたが、関節痛や浮腫、神経障害はいずれもグレード1で、重要臓器転移を有する進行・再発乳癌に対するGEM+PAC療法は有効かつ安全であることが示唆されるとまとめた。