国立がん研究センター中央病院消化管腫瘍科外来医長の山田康秀氏

 分子標的治療では、対象の選択と、より高い有効性を得るための投与方法の確立が重要なポイントになる。

 10月28日から30日にかけて京都市で開催された第48回日本癌治療学会学術集会の学術セミナー「消化管腫瘍における分子標的治療―現状と展望―」(共催:ファイザー)では、国立がん研究センター中央病院消化管腫瘍科外来医長の山田康秀氏が、胃癌大腸癌、そしてGISTに対する分子標的治療について解説した。

 
 胃癌に対する分子標的治療薬で初めて成功したフェーズ3試験は、ToGA試験である。この試験では3807人の胃癌患者からHER2陽性の810人を選出し、さらにその中の適格基準を満たす進行胃癌患者584人を2群に無作為に割付けた。対照群の290人には5FUまたはカペシタビンにシスプラチンを併用し(FC群)、治療群の294人にはさらにトラスツズマブを併用した(FC+T群)。

 HER2陽性率は組織型分類によっても異なり、intestinal typeで高くなるが、この試験では両群ともにintestinal typeが74%以上を占めた。また、アジアからの参加者が半数を超えた。

 主要評価項目の全生存期間(OS)は、FC群11.1カ月、FC+T群13.8カ月、ハザード比(HR)0.74で、トラスツズマブを併用することで有意に延長した(p=0.0046)。特に有効性が高いと予測される、免疫組織化学染色法(IHC)3+の患者または2+で蛍光in situハイブリダイゼーション法(FISH)陽性の患者では、FC群11.8カ月、FC+T群16.0カ月、HR0.65となり、トラスツズマブのさらに明確な上乗せ効果が認められた。
 

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