ラジオ波焼灼術RFA)による長期生存が肝細胞癌だけでなく、大腸癌の肝転移においても確認されたことが報告された。10月28日から30日まで京都市で開催された第48回日本癌治療学会学術集会(JSCO2010)のパネルディスカッションで東京大学消化器内科の椎名秀一朗氏が発表した。

 RFA療法が、肝細胞癌に対する低侵襲な局所療法として行われるようになって10年以上が経過した。ガイドラインでは肝切除が推奨されているが、予後についてはRFAと差がないとの報告もされている。

 肝癌に対するRFAの国別実施数は、日本が3万8500例で2位の米国(1万4440例)を大きく上回るほど、RFAによる治療が増加している。 

 椎名氏は2009年末までに東京大学病院で行った肝細胞癌(延べ5457例)に対するRFA治療の結果を報告した。最終的に33例(0.6%)に癌の残存が認められたものの、99.4%が画像上癌の残存がない「technical success」に達成したと述べた。

 初発症例1170例におけるRFA治療後の生存率は、1年96.6%、3年80.5%、5年60.2%、7年45.1%、10年27.3%。また、RFA後の局所再発は5年3.2%、異所再発は74.8%だった。

 また、大腸癌の肝転移に対するRFA治療の成績についても報告された。対象となった151例中、全身化学療法(58%)や肝切除(28%)などの前治療を実施していたのは119例(79%)。年齢の中央値は65.1歳で、81歳以上が16例含まれていた。その内、切除不能肝外病変51例、心肺疾患合併7例、切除不能多発肝転移20例、肝切除後の多発再発4例と断端再発が3例に認められたが、生存率は1年93%、3年60%、5年38%、7年27%、10年24%と長期生存が可能となったことが報告された。

 椎名氏は、「RFA治療において重要なことは、どの施設で行っても一定レベルの成績を出せるようになることだ」と強調した。