癌の再発や治療不能で余命が限られる患者に対する余命告知の予後の検証で、残された時間を有意義に過ごすためには、正確な余命告知が必要であることが示された。第48回日本癌治療学会学術集会(JSCO2010)のポスターセッションで高槻赤十字病院の熊谷広治氏が余命告知の妥当性について報告した。

 対象となったのは2006年6月から2010年4月までに終末期をむかえた婦人科癌患者で、再発時の年齢が36歳〜85歳までの13人。子宮頸癌3人、子宮体癌2人、卵巣・卵管癌7人、原発不明癌1人で、癌の進行度は1期から4期までだった。

 癌の告知は全例に行われたが、余命告知は13人中9人だった。告知の内容としては「数年以内」が1人、「1年以内」が5人、「月単位」が3人で、死亡した6人に関しては、余命告知後4カ月目までに死亡した。また、余命告知後、緩和科への連携に至ったのは12人、精神科との連携が1人だった。

 対象期間における余命告知の比率は、期間の前半では43%、後半では100%と終末期の診療数が増えるに従って余命告知の頻度も上昇した。だが、余命告知の際には患者本人への遠慮から余命を長めに伝えがちだったことも指摘。残された時間を有意義に過ごすためには、正確な余命を伝える必要があると結論づけた。