オキサリプラチンやイリノテカンによる初回治療を受けた切除不能大腸癌患者において、FOLFOXまたはFOLFIRIとベバシズマブ併用による2次治療は安全で有効性のあることが、多施設調査研究で確認された。筑波大学附属病院の森脇俊和氏らが、10月28日から30日まで京都市で開催される第48回日本癌治療学会学術集会(JSCO2010)で発表した。

 対象は、前治療でベバシズマブを使っていない切除不能進行・再発大腸癌患者で、26施設から193人が登録した。年齢中央値は62歳(28歳〜87歳)、結腸癌が106人、直腸癌が87人だった。

 前治療で、オキサリプラチンベースの治療を受けていたのは108人、イリノテカンベースの治療は43人、5-FU単剤の治療は13人だった。また術後補助化学療法としては、オキサリプラチン治療は7人、イリノテカン治療は2人、5-FU単剤は20人であった。

 観察期間中央値は21.1カ月。オキサリプラチン治療後FOLFIRI+ベバシズマブの治療を受けた患者95人(A群)では部分奏効(PR)が27%、病勢安定(SD)が50%であった。イリノテカン治療後にFOLFOX+ベバシズマブの治療を受けた32人(B群)ではPRが31%、SDが50%。5-FU単剤治療後FOLFOX+ベバシズマブの治療を受けた24人(C群)ではPRは58%、SDは29%だった。

 無増悪生存期間(PFS)中央値はA群で8.1カ月(95%信頼区間;6.4-9.8)、B群は7.4カ月(同5.9-9.0)、C群は12.5カ月(8.5-16.9)であった。全生存期間中央値(MST)はA群で21.5カ月(17.2-25.8)、B群は17.6カ月(10.5-24.8)、C群は33.2カ月(17.9-48.4)だった。

 グレード3以上のベバシズマブ関連毒性は高血圧が13人(6.7%)、出血が8人(4.1%)、静脈血栓塞栓症が5人(2.6%)で、蛋白尿、創傷治癒遅延は各1人(0.5%)だった。ベバシズマブの最終投与後30日以内の死亡は5人で、このうち治療関連は2人(肺塞栓、間質性肺炎)、増悪が1人、その他が2人だった。

 2次治療としてFOLFOX4とベバシズマブ併用を検討した海外のE3200試験では、奏効率は23%、PFS中央値は7.3カ月、MSTは13カ月と報告されている。またベバシズマブに加えFOLFOXやFOLFIRIが使われたARIES試験ではPFS中央値は7.9カ月、MSTは17カ月だった。このため森脇氏は、「2次治療としてのFOLFOXとベバシズマブ併用療法は海外の試験と同等の有効性が示された」と述べた。またFOLFIRIとベバシズマブ併用療法についても、FOLFOXとベバシズマブ併用療法と同程度の有効性が認められるとした。