治癒切除不能な進行・再発大腸癌に対する抗血管内皮成長因子(VEGF)抗体製剤のベバシズマブと化学療法の併用療法は、高齢者においても安全に施行でき、十分な有効性が得られることが実地医療で確認された。北海道大学などで構成する北海道消化器癌化学療法研究会(HGCSG)グループによるレトロスペクティブな解析で明らかになった。10月22日から24日に横浜市で開催された第47回日本癌治療学会学術集会で北海道大学病院腫瘍センターの小松嘉人氏が発表した。

 対象とした症例は212人(うち男性111人)で、65歳未満群が135人、65歳から69歳群が33人、70歳以上群が44人だった。併用レジメンは、全体ではmFOFOX6が最も多く93人(45%)で、FOLFIRIが73人(34%)、IRISが29人(14%)だった。年齢別に分けると、65歳未満群はmFOFOX6が59人(44%)、FOLFIRIが46人(34%)、IRISが19人(14%)で、65歳から69歳群は同17人(52%)、6人(18%)、7人(21%)、70歳以上群は同19人(43%)、21人(48%)、3人(7%)。

 有害事象と効果の解析は65歳未満群(135人)と65歳以上群(77人)、70歳未満群(168人)と70歳以上群(44人)の2パターンに分けて行った。有害事象のうち、高血圧、血栓症、創傷治癒遅延は年齢による差がなかった。消化管穿孔は65歳未満群ではなかったが、65歳以上群でグレード3が3人で、統計学的な有意差が出た。しかし症例数が少ないため、結論付けることはできないとした。

 一方効果は、全体で完全奏効(CR)が8人、部分奏効(PR)が73人で奏効率は38.2%だった。年齢別では65歳未満と65歳以上で分けた場合、65歳未満群はCRが6人、PRが47人で奏効率は39.2%、65歳以上群はCRが2人、PRが26人で奏効率は36.3%と、差がなかった。70歳未満と70歳以上で分けた場合も、70歳未満群はCRが8人、PRが59人で奏効率は39.8%、70歳以上群はCRが0人、PRが14人で奏効率は31.8%と、差がなかった。