前治療で増悪した進行胃癌患者に対するmTOR阻害剤「RAD001」(エベロリムス)の多施設共同フェーズ2試験で、病勢コントロール率50%超、生存期間中央値約10カ月という良好な結果が得られた。この結果を受け、国際共同フェーズ3試験(R2301試験)が開始されている。10月22日から24日に横浜市で開催された第47回日本癌治療学会学術集会で、四国がんセンター消化器内科の仁科智裕氏が発表した。

 試験は国内8施設において、前治療で増悪した手術不能、再発、転移性の胃癌患者を対象に行われた。セカンドライン(二次)治療もしくはサードライン(三次)治療として、RAD001 10mg/日を原則的には病勢進行まで連日投与した。主要評価項目は病勢コントロール率(DCR)とし、副次評価項目は奏効率、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性とした。

 2007年8月から2008年4月までに54人が登録された。不適格と判断された1人を除く53人を解析対象とした。年齢中央値は63歳(30〜77歳)で、男性が41人、PS 0が32人、PS 1が21人、前治療が1レジメンの患者は27人、前治療が2レジメンの患者が26人。投与期間は57日(11〜246日)だった。

 完全奏効と部分奏効は0人だったが、全解析対象(FAS)である53人におけるDCRは54.7%(95%信頼区間:40.4-68.4)、治験適格例(PPS)の50人におけるDCRは56.0%(同41.3-70.0)だった。試験開始時に期待DCRを50%と設定しており、期待値を上回る結果となった。

 PFSの中央値は2.7カ月(95%信頼区間:1.6-3.0)で、セカンドライン治療の患者とサードライン治療の患者のPFSはほぼ同様であった。全生存期間中央値は10.1カ月(同6.5-12.1)だった。

 発現頻度が10%以上の有害事象は、口内炎、食欲不振、疲労、発疹、悪心、末梢性浮腫、血小板減少症、下痢、掻痒、貧血、味覚異常、嘔吐、発熱、肺臓炎、便秘、腹痛、肝機能異常、不眠症だった。グレード3/4の有害事象は、口内炎と食欲不振、疲労が各3人、下痢が1人、貧血が5人、肝機能異常が2人。特徴的な有害事象として、肺臓炎が認められたが、グレード1/2が8人で、重篤なものではなかったという。

 現在行われているR2301試験では、進行胃癌患者633人を対象に、RAD001群とプラセボ群を2対1の割合で無作為に割り付け、主要評価項目を全生存期間としている。国内でも患者登録が開始されている。