癌で入院した場合にかかるおおよその費用が簡単に計算できるソフトウエアを、飯塚病院(福岡県飯塚市)呼吸器内科の山本英彦氏らが開発した。このソフトは2009年12月中旬をめどに、同院のホームページ上で公開予定という。10月22日から24日に横浜市で開催された第47回日本癌治療学会学術集会で、山本氏がソフトの詳細について発表した。

 癌種ごとのメニューから、治療内容、入院予定期間などを入力すると、入院治療費の概算や負担率(1割、2割、3割)別の患者負担金額が瞬時に表示される。

 算出のベースとしたのは、2006年4月から2008年3月に同院でDPC(診断群分類)に基づく支払いを行った癌の入院患者のデータ。治療内容別に、出来高評価部分の入院日数ごとの平均を算出、これに1日当たりの包括評価部分を足し、算出根拠としている。なお、輸血を行った症例など、出来高部分が高額になる症例は除外した。

 算出結果は2008年4月から12月における請求金額と比較し、実際に近い値が得られることが確認できたという。なお、高額な出来高評価部分については勘案されない値が算出されることから、「これは最低限かかる費用と思ったほうがいい」と山本氏は言う。

 癌の診療現場では、患者やその家族からの治療費関連の質問も多い。「このソフトを用いて、すぐに治療費のめどが伝えられれば、患者さんの満足度も上がり、コミュニケーションがとりやすくなると考えられる」(山本氏)。

 希望があれば他の医療機関にもソフトを配布するという。ただし自院のデータを入れなくてはならない、DPCの改訂のたびにデータの更新が必要――といった手間はかかる。「必要であれば連絡を」と山本氏は付け加えた。