大腸癌に対するセツキシマブの効果は、KRAS野生型の患者で高いことが日本で行われた前向き試験(フェーズ2)でも明らかになった。このことは海外の試験のレトロスペクティブ解析では明らかにされていた。10月22日から24日に横浜市で開催された日本癌治療学会で愛知県がんセンター中央病院の設楽紘平氏が発表した。

 この試験は、組織学的に診断された大腸癌患者で、前もって行われた検査でKRAS遺伝子に変異を持っていない測定可能な病変を持つ患者を対象に、サードライン以降の治療として行われた。セツキシマブは週1回投与されたが、初回には2時間をかけて400mg/m2を投与、2回目以降は1時間で250mg/m2が投与された。ベースとなるイリノテカンは2週間置きに100mg/m2から150mg/m2(以前に投与した用量もしくはそれ以下)が投与された。

 患者は30人(うち男性26人)で、年齢中央値は60歳(31〜80歳)。全身状態はPS0が10人、PS1が18人、PS2が2人だった。原発巣切除ありが28人、なしは2人。転移臓器数は1臓器が8人、2臓器が10人、3臓器が12人。前化学療法のレジメン数は2が9人、3以上が21人だった。ベバシズマブの投与を受けた経験のある患者は20人だった。

 試験の結果、奏効率は完全奏効(CR)が1人、部分奏効(PR)が8人、安定状態(SD)が15人で、奏効率は30%(95%信頼区間:14.7-49.4)、疾患制御率(DCR)は80%(95%信頼区間:61.4-92.3)だった。観察期間中央値が8.1カ月で、無増悪生存期間中央値は5.8カ月だった。全生存期間中央値は未到達。

 画像評価が可能な28人中20人(71%)で10%以上の腫瘍縮小が確認された。以前に、KRASの遺伝子型を判定せずに日本で行われたフェーズ2試験では、10%以上の腫瘍縮小が見られたのは49%だったことから、KRAS野生型を選ぶことで、効果がより高くなっていることが示された。また無効だった1人にBRAF変異が認められた。

 グレード3/4の副作用は、好中球減少10人、発熱性好中球減少2人、下痢4人、食欲不振2人。グレード2は、ざ瘡様の皮疹が23人、低マグネシウム血症が5人。また、1人でグレード2の間質性肺炎が認められた。