転移・局所進行消化管粘膜下腫瘍(GIST)に対しファーストライン治療でイマチニブを投与した後、スニチニブの投与も無効となった患者の予後がイマチニブの再投与により改善される可能性がレトロスペクティブな検討から示された。10月22日から24日に横浜市で開催されている第47回日本癌治療学会学術集会で、愛知県がんセンター中央病院の澤木明氏が発表した。

 転移・局所進行GISTに対するイマチニブとスニチニブの投与は標準治療となっている。しかし、その後の治療は確立されておらず、イマチニブの再投与が検討される場合があるものの、意義は明らかにされていない。そこで澤木氏らは、転移・局所進行GISTのイマチニブとスニチニブによる治療後のイマチニブの再投与について、有効性と安全性をレトロスペクティブに検討した。

 対象は、大阪大学医学部付属病院、新潟大学医歯学総合病院、北海道大学病院、愛知県がんセンター中央病院の4施設において、ファーストライン治療でイマチニブが投与され、その後2008年6月から2009年3月の間に開始されたスニチニブも無効となったkit 陽性のGIST患者26人。

 26人中、14人にはイマチニブの再投与と支持療法(BSC)が行われ(イマチニブ+BSC群、年齢中央値54.5歳)、12人にはBSCのみが行われた(BSC群、同62.5歳)。

 性別、原発部位、PS、転移部位は両群で差はなかったが、スニチニブの投与前後でPSが変化しなかった患者はイマチニブ+BSC群に多かった。ファーストライン治療のイマチニブの投与期間はイマチニブ+BSC群で41カ月、BSC群で19.5カ月だった。ファーストライン治療のイマチニブの奏効率、イマチニブを中止した理由、スニチニブの投与期間に差はなかった。

 スニチニブ中止後の治療成功期間(TTF)の中央値は6カ月、OSの中央値は11カ月だった。スニチニブ中止後のOSをイマチニブの再投与の有無でみると、イマチニブ+BSC群は22カ月、BSC群は4カ月と顕著な差がみられたが、有意差は得られなかった(p=0.058)

 奏効率については、完全奏効(CR)と部分奏効(PR)はなく、安定状態(SD)3人、進行(PD)6人、判定不能5人だった。

 グレード3以上の血液毒性は発生しておらず、イマチニブの再投与により追加される毒性は軽度で忍容可能と考えられた。

 澤木氏は今回の結果について、「転移・局所進行GISTでスニチニブの中止後BSCのみを行っている患者に対し、イマチニブの再投与は生存にベネフィットを示す可能性がある」としながらも、イマチニブの再投与による予後を正確に評価するためには、プロスペクティブな試験の実施が必要と話した。