進行・再発大腸癌のファーストライン治療として、S-1とイリノテカン、ベバシズマブの併用療法(SIRB)は安全で、有用な治療法であることが、多施設共同フェーズ2試験の中間評価で明らかになった。10月22日から24日に横浜市で開催されている第47回日本癌治療学会学術集会で、横浜市立大学医学部臨床腫瘍科学の後藤歩氏が発表した。

 試験は進行・再発大腸癌の患者を対象に、2007年10月から開始され、目標症例数は50人とされた。研究グループは昨年の日本癌治療学会学術集会で、25人を対象とする中間評価の結果を発表していた。最終的に52人が登録され、今回の発表では、登録終了後6カ月の中間評価として、重複癌の1人を除く51人の結果が報告された。

 投与は21日を1コースとして、ベバシズマブ7.5mg/kg、イリノテカン150mg/m2を1日目に投与し、S-1は体表面積に合わせて80〜120mgを1日目から14日目に投与した。主要評価項目は有害事象の発現頻度と程度、副次評価項目は無増悪生存期間、奏効率、治療成功期間(TTF)、全生存期間、治療完遂状況とした。

 51人のうち男性は26人、年齢中央値は63歳(28〜82歳)。PS 0が34人、PS 1が17人で、原発巣は結腸が28人、直腸が23人だった。また転移部位は肝臓が32人、肺が28人、リンパ節が22人、腹膜が4人であった。

 グレード3以上の有害事象の発現頻度は、好中球減少26%、食欲不振12%、下痢8%、悪心4%、嘔吐4%。またベバシズマブ関連の有害事象と考えられる血栓症4%、高血圧8%であった。

 治療中止理由は増悪が16人、有害事象が7人、手術施行が5人、患者の希望が1人だった。増悪で中止した患者のうち、11人はセカンドライン治療としてmFOLFOX6療法とベバシズマブの併用を、3人はmFOLFOX6療法、2人はその他の治療が行われた。

 完全奏効が1人、部分奏効が33人、安定状態が13人で、奏効率は67%、病勢コントロール率は92%だった。また無増悪生存期間の中央値は11.3カ月となった。

 後藤氏は「SIRB療法は忍容可能な治療法で、進行再発大腸癌の一次治療として有用な治療法になり得る可能性がある」とした。また、3週間おきの治療であり、外来受診の回数が少なくて済むことから、「患者さんだけでなく医療者の負担も軽減できる」と話した。

 今後、SIRB療法とFOLFIRI療法+ベバシズマブとの比較、もしくはFOLFOX療法+ベバシズマブ、XELOX療法+ベバシズマブとの比較の試験を行う予定という。