切除不能進行・再発胃癌患者に対し、ドセタキセル+シスプラチン+S-1(DCS)の3剤併用療法がファーストラインの化学療法として高い有効性と忍容性を示すことが、フェーズ2試験(KDOG0601 P2)で明らかになった。10月22日から24日にかけて横浜市で開催されている第47回日本癌治療学会学術集会で、北里大学東病院消化器内科の樋口勝彦氏が発表した。

 欧米では、ドセタキセル+シスプラチン+5-FU(DCF)などの3剤併用療法が確立しているが「国内でも基準となる細胞傷害性薬剤3剤の併用療法を開発し、さらにはネオアジュバントや分子標的薬の上乗せ効果も視野に入れたい」として、DCSの臨床試験を行ってきた。

 フェーズ2試験では、主要評価項目は奏効率、副次的評価項目は無再発生存率(PFS)、全生存期間(OS)、有害事象の発生率とした。

 投与スケジュールは、ドセタキセル40mg/m2とシスプラチン60〜70mg/m2を1日目に静注し、同時に1〜14日目にS-1 80mg/m2を1日2回に分けて経口投与し、28日ごとに繰り返すというもの。シスプラチンは最初70mg/m2で投与したが、骨髄抑制や腎機能障害などの問題から、途中から60mg/m2を推奨量とした。入院は投与1日目前後の2泊3日が必要だ。

 DCS療法は最大6コースまでとし、その後はドセタキセルとS-1(DS)の2剤併用療法として進行(PD)まで継続した。

 対象となったのは、化学療法の治療歴がない切徐不能進行・再発胃癌患者59人(うち男性47人、年齢中央値62歳)。治療のコース数の中央値は8コースで、DCSが6コース、DSが2コースだった。

 RECIST基準で判定した全体の奏効率は81.3%で、内訳は完全奏効(CR)0人、部分奏効(PR)48人、安定状態(SD)10人、判定不能1人だった。CR+PR+SDの病勢コントロール率(DCR)は98.3%だった。

 シスプラチンの用量別に奏効率をみると、60 mg/m2と70 mg/m2はそれぞれ82.5%と78.9%だった。

 グレード3以上の主な有害事象は、好中球減少72.8%、貧血15.2%、発熱性好中球減少症13.5%、食欲低下6.7%、悪心・嘔吐5.1%、下痢5.1%だった。

 PFSの中央値は8.7カ月だった。OSの中央値は、現在経過観察中の症例が多く予備的なデータであるが、18.0カ月だった。

 ファーストライン治療で3剤を使用してしまうため、セカンドライン治療、サードライン治療で使用する薬剤が心配されたが、セカンドライン治療への移行率は84.7%だった。

 樋口氏は「DCSの無作為化試験を計画している。またネオアジュバントの設定も考慮する必要がある」と話した。
(森下 紀代美=医学ライター)