切除不能と判断された胆道癌でも、術前化学療法によって切除ができ、治癒切除も可能になったことが、レトロスペクティブな検討で明らかになった。10月22日から24日に横浜市で開催されている第47回日本癌治療学会学術集会で、横浜市立大学消化器病態外科学の松山隆生氏が発表した。

 対象は1992年から2008年までに開腹術を行った進行胆道癌で、ステージ4の137人。術前化学療法を行わなかった「通常治療群」126人と、術前化学療法を行った「術前化学療法群」11人について検討した。

 術前化学療法は、切除不能、もしくはリンパ節転移陽性の肝内胆管癌(IHCC)やR1切除が予想される場合など、切除不能例と同程度の生存期間が推測された患者に行われた。 このうちゲムシタビン(1000mg/m2)とシスプラチン(20mg/m2)併用が3人、ゲムシタビン(1000mg/m2)とS-1(60mg/m2)併用が8人だった。

 通常治療群では17%(21人)が切除不能と判断されたのに対し、術前化学療法群では同10%(1人)だった。また切除可能となった患者のうち、治癒切除(R0)率は通常治療群で64.8%(68人)、術前化学療法群は100%(10人)だった(p=0.03)。

 観察期間3年で、通常治療群の1年生存率は69.7%、2年生存率は42.6%だったが、術前化学療法群ではそれぞれ100%、100%であった。

 これらの結果から松山氏は、「術前化学療法によって治癒切除が可能になったことから、微小な浸潤や転移を消失させ、それによって長期生存を可能にすると考えられる」とまとめた。