がん診療連携拠点病院の看護部長、日本がん看護学会の評議員、がん看護専門看護師を対象に、診療報酬に関するニーズ調査を実施した結果、加算の必要性を感じる優先度の高い技術として「化学療法・放射線療法副作用予防指導」、「進行がん患者に対する在宅連携」、「がん性疼痛患者教育・生活指導」の順に要望が多かった。2月16日から金沢市で開催された第27回日本がん看護学会学術集会で、日本がん看護学会がん看護技術開発委員会を代表し、神奈川県立がんセンター看護局の渡邉眞理氏が報告した。

 今回報告されたニーズ調査は、2014年度の診療報酬改定に向け、診療報酬の収載が必要と考えられるがん看護に関する技術、ケアシステムの優先度を決定するために行われたもの。

 対象は、がん診療連携拠点病院の看護部長、日本がん看護学会の評議員、がん看護専門看護師の合計701人。2012年3月に、がん看護技術・看護体制に関する診療報酬に関する自記式郵送調査を実施した。有効回答は299人(42.7%)から得られた。

 回答者の立場を見ると、がん看護専門看護師が49.5%、看護管理者が38.5%、認定看護師は16.7%、看護教員が9.7%、一般看護師は2.7%だった。

 まず、診療報酬加算の新設が必要と感じる技術について尋ねたところ、最も多かった技術は「化学療法・放射線療法副作用予防指導」、2位が「進行がん患者に対する在宅連携」、3位が「がん性疼痛患者教育・生活指導」だった。そのほかに、「がん性疼痛患者教育・生活指導」「四肢リンパ浮腫に対する複合的理学療法」「がん治療中の電話相談によるトリアージ」などに対する要望も高かった。

 看護師の人員配置の新設や見直しが必要だと思う項目については、「外来化学療法室」、「外来」、「放射線治療室」の順に多かった。

 また、認定看護師・専門看護師を配置した際の診療報酬加算については、「外来化学療法室」、「看護外来」「放射線治療室」の順に要望が多かった。

 診療報酬の増点を希望する既存のがん診療関連の診療報酬について尋ねたところ、立場の違いによらず、「リンパ浮腫指導管理料」「がん性疼痛緩和指導管理料」への要望が多かった。

 また、対象患者や処置内容などの適応拡大を希望するがん診療関連の既存の診療報酬としては、がん看護専門看護師は「がん患者カウンセリング料」、評議員とがん診療連携拠点病院看護師は「リンパ浮腫指導管理料」を挙げた看護師が最も多かった。

 これらの結果から渡邉氏は、「外来看護、在宅療養調整など、継続的・専門的な看護援助に対する診療報酬の要望が強いことが明らかになった」と指摘。職種による要望の違いとしては、「がん看護専門看護師は、進行がん患者に対する在宅連携や、電話相談など在宅とがん診療の連携支援への診療報酬加算を要望している。これは、がん看護専門看護師が、がん看護外来や、がん診療連携拠点病院の相談支援センターなどで相談業務や在宅支援を担当していることや、現実のがん看護の課題と考えられた」と語った。

 最後に渡邉氏は、現時点で、2014年度の診療報酬改定に向けて日本がん看護学会が要望を出すことを検討している項目について、「がんに関する相談を専門家が対応する体制づくり」「進行がん患者の表在化している難治性潰瘍(自壊)に対するケア・指導管理」「経口がん薬物療法に関するアドヒアランスを高めるための指導料」「埋め込み小線源療法(放射線)の管理、ケア指導」の4項目が挙がっていることを紹介。「日本がん看護学会がん看護技術開発委員会は今回の調査結果も参考に、今後、学術的根拠に基づいた技術提案を行っていきたい」とした。