切除不能局所進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対し、カルボプラチンビノレルビン胸部放射線療法の同時併用は、安全で有効であることが単施設フェーズ2試験で明らかになった。シスプラチン投与不能例に対する治療オプションになりうる。昭和大学医学部呼吸器アレルギー内科の廣瀬敬氏らが、4月20日から神戸市で開催された第52回日本呼吸器学会学術講演会で発表した。

 対象は、切除不能ステージIIIA/IIIBのNSCLC患者28人(うち男性が23人)。患者の平均年齢は67歳。ステージIIIAが13人、ステージIIIBが15人で、組織学的には腺癌が14人、扁平上皮癌が11人、その他が3人だった。

 治療はカルボプラチン(AUC=2.5)とビノレルビン(20mg/m2)を第1日目と第8日目に3週おきに投与し、最大4コース行った。胸部放射線療法は1日1回2Gy/frを化学療法と同時に照射した(総量60Gy)。

 抗腫瘍効果は、CRが3人、PRが21人、SDが3人、PDが1人で、奏効率は85.7%(95%信頼区間:67.3-96.0)、病勢制御率は96.4%(同:81.7-99.9)であった。

 グレード3/4の血液毒性は、白血球減少と好中球減少が各100%、血小板減少は14%、貧血が46%だった。グレード3/4の非血液毒性は、感染症が36%、低ナトリウム血症が14%、放射性肺臓炎が7%(2人)、食道炎と下痢が各4%であった。

 全生存期間中央値は23カ月、2年生存率は42%、無増悪生存期間は8カ月だった。

 局所進行NSCLC患者にはプラチナ系抗癌剤を含む化学放射線療法が勧められている。放射線療法に同時併用するレジメンとしては、国内フェーズ3試験で、カルボプラチンとパクリタキセル併用(WJTOG0105試験)やシスプラチンとドセタキセル併用(OLCSG 0007試験)が検討され、標準治療の候補となっている。これらの試験結果と比較しても、「今回の結果は遜色なかった」と廣瀬氏。

 同研究グループでは、シスプラチンとビノレルビン併用の有効性を報告しており、ビノレルビンには放射線増感作用があること、またフルドーズで投与できるといった利点もあるという。これらのことから、「局所進行NSCLCに対し、カルボプラチンとビノレルビン、胸部放射線療法の同時併用は安全で有効である」とまとめた。