肺腺癌に対するシスプラチン+ペメトレキセドベバシズマブの併用化学療法についての検討から、対象数8人であるものの、奏効率75%、病勢コントロール率(DCR)100%と良好な効果が得られ、安全性も高いと考えられる結果が示された。4月20日から22日まで神戸市で開催された第52回日本呼吸器学会学術講演会で、独立行政法人国立病院機構岩国医療センター呼吸器内科の久山彰一氏が発表した。

 これまでの報告から、現時点では非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)に対する化学療法では、シスプラチン+ペメトレキセド+ベバシズマブの併用化学療法が最も効果の高い組み合わせと考えられる。

 久山氏らは、同院で2010年6月からこの併用化学療法を施行した8人を検討した。8人の年齢中央値は66歳、男性は6人、全例がIV期で腺癌だった。このレジメンがファーストライン治療として投与されたのは2人、セカンドライン治療として投与されたのは6人だった。セカンドライン治療として投与された患者のファーストライン治療の内訳は、カルボプラチン+パクリタキセルが3人、カルボプラチン+S-1が1人、ゲフィチニブが2人だった。

 シスプラチンの投与では、パロノセトロン、アプレピタントを制吐剤として投与し、全例short hydration法で行った。総点滴量は2.5L、点滴に要した時間は5時間55分+ベバシズマブの投与時間だった。

 その結果、部分奏効(PR)は6人で得られ、奏効率は75%となった。残る2人も安定(SD)となり、病勢コントロール率は100%と良好な効果がみられた。治療サイクル数の中央値は5サイクルだった。

 有害事象として、グレード3以上の好中球減少が3人(37.5%)に発現したが、その他には血液毒性はみられず、発熱性好中球減少も発現しなかった。肺血栓が1人(12.5%)に発現した。

 無増悪生存期間(PFS)は7.35カ月、全生存期間中央値は14.1カ月となった。
 
 維持療法は全例に行われ、7人にはペメトレキセド+ベバシズマブ、1人にベバシズマブが投与された。維持療法の投与サイクル数の中央値は6サイクルで、導入1サイクル目は入院で行ったが、その後は全例が外来で継続可能だった。外来では大きな副作用を認めずに安全に治療が継続できている。

 久山氏が提示した症例のうち、ゲフィチニブ投与後に増悪(PD)となった60代の女性患者では、シスプラチン+ペメトレキセド+ベバシズマブの併用化学療法に変更し、2サイクル終了後に著効した。1サイクル終了後に肺血栓を認めたが、ワーファリンの投与で消失した。

 久山氏は、「AVAPERL試験におけるシスプラチン+ペメトレキセド+ベバシズマブ群のPFS中央値は10.2カ月で、OS中央値には到達しておらず、本検討より良好だったが、本検討にはセカンドライン治療の6人が含まれていたためと考えられた。今後も症例を重ねて検討していきたい」と話した。