切除不能な未治療非小細胞肺癌(NSCLC)に対するペメトレキセド+カルボプラチンの併用化学療法を検討したフェーズ2試験の中間解析から、奏効率は36.4%、無増悪生存期間(PFS)は21.8週で従来の治療と同程度の効果があり、忍容性があるレジメンと考えられる結果が示された。4月20日から22日まで神戸市で開催された第52回日本呼吸器学会学術講演会で、日本大学医学部内科学系呼吸器内科学分野の中川喜子氏が発表した。

 進行NSCLCのファーストライン治療として、ペメトレキセドと白金系抗癌剤の併用化学療法は標準治療である。カルボプラチンベースの併用化学療法はシスプラチンと比べて毒性が比較的低く、投与が簡便で外来でも投与可能であるが、日本ではNSCLCに対するペメトレキセド+カルボプラチンの併用化学療法の臨床研究は少ない。

 そこで中川氏らは、切除不能な未治療NSCLCに対するペメトレキセド+カルボプラチンの併用化学療法について、単群、非ランダム化、非盲検のフェーズ2試験を実施し、中間解析の結果を報告した。

 対象は、2010年3月1日から2012年3月7日までに登録された切除不能な未治療NSCLC患者33人(平均年齢63.8歳、男性22人)。腺癌が30人を占め、EGFR遺伝子変異陽性は8人だった。

 ペメトレキセド500mg/m2を10分間で、カルボプラチン AUC5を60分間かけて1日目に投与し、3週間隔で4コースから6コース投与した。前投薬として、デキサメタゾンン、5-HT3受容体拮抗剤、アプレピタントを使用した。同試験の主要評価項目は奏効率と病勢コントロール率(DCR)だった。

 完全奏効(CR)が得られた患者はいなかったが、部分奏効(PR)は12人で得られ、奏効率は36.4%だった。PRの12人と安定(SD)の14人を合わせたDCRは78.8%となった。無増悪生存期間(PFS)は21.86週だった。

 また有意差はなかったが、EGFR遺伝子変異によりペメトレキセド+カルボプラチン併用化学療法の効果が異なる可能性も示唆された。奏効率とPFSは、EGFR遺伝子変異陰性の25人ではそれぞれ44.0%と24.24週、陽性の8人ではそれぞれ12.5%と17週だった。

 血液毒性では貧血が全例に発現したが、グレード1が21人と大半を占め、グレード3は4人だった。グレード4の重篤な有害事象として、好中球減少が1人のみに認められた。非血液毒性では嘔気と疲労感が約半数に発現したが、グレード2以下のものが多かった。皮疹は発現しなかった。

 ただし、胸水が貯留していた9人でみると、グレード2以上の有害事象が多く認められた。グレード2以上の好中球減少は5人(56%)、貧血は3人(33%)、血小板減少は2人(22%)、嘔気は2人(22%)に発現した。中川氏は「胸水を合併している患者に投与する際は、投与前に胸水をドレナージし、十分な注意が必要」と話した。

 中川氏は、「ペメトレキセド+カルボプラチン併用化学療法は、標準治療(カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ、シスプラチン+ペメトレキセド)と比較して抗癌剤の投与時間が約70分と短く、外来化学療法に適しており、進行肺癌患者のQOLの維持に有用と考えられる」と結んだ。