塩酸アムルビシン(AMR)のフェーズ2試験(WJTOG0401)より、白金系抗癌剤を含む化学療法治療歴のある非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対するAMR単剤の投与は、血液毒性の頻度は高いものの安全性・忍容性は概ね良好で、再発NSCLCの有望な治療選択肢と考えられる結果が示された。4月23日から25日まで京都市で開催された第50回日本呼吸器学会学術講演会で、大阪市立総合医療センターの駄賀晴子氏が発表した。

 アントラサイクリン系抗癌剤のAMRは、未治療のNSCLCに対し単剤で18〜28%の奏効率を示し、毒性も許容範囲で、セカンドライン治療における有効性が期待される。しかし、既治療例に対する報告はない。

 駄賀氏らは、白金系抗癌剤を含む化学療法治療歴のあるNSCLCに対するAMRの効果と安全性を評価するため、フェーズ2試験を行った。主要評価項目は奏効率、副次的評価項目は無増悪生存率(PFS)、全生存期間(OS)、1年生存率、有害事象の程度と発現頻度とした。

 対象は、白金系抗癌剤などによる化学療法の治療歴がある進行NSCLCの患者61人(年齢中央値63歳、男性39人)で、70歳以上の患者が13人含まれた。病期はIIIBが13人、IVが48人で、腺癌が40人だった。AMR 40mg/m2は1〜3日目に3週ごとに投与し、進行(PD)まで繰り返した。

 投与サイクル数の中央値は2コース(範囲:1〜15)だった。部分奏効(PR)は11.5%、安定状態(SD)は32.8%で、PDは55.7%だった。病勢コントロール率(DCR)は44.3%となった。

 PFSの中央値は1.8カ月、OSの中央値は8.5カ月、1年生存率は32.0%であった。奏効率、OS、1年生存率は、他のセカンドライン治療として報告されているものとほぼ同等の結果であった。

 主なグレード3以上の毒性は、好中球減少82.0%、白血球減少73.8%、発熱性好中球減少症29.5%だった。

 駄賀氏は「同症例を対象としたAMRのフェーズ3試験が必要と考える」と話した。