高齢者限局型小細胞肺癌(LD-SCLC)患者を対象としたカルボプラチン+イリノテカン(CBDCA+CPT-11)併用および逐次胸部放射線(TRT)の多施設共同第1 /2試験(TORG0604)により、奏効については今後の結果を待つ必要があるものの、安全性に配慮すれば適切と考えられる用量が明らかになる可能性が出てきた。6月12〜14日に東京都で開催された第49回日本呼吸器学会学術講演会のポスター発表で、横浜市立市民病院呼吸器内科の猶木克彦氏が報告した。

 現在、LD-SCLCの標準的治療は確立されていない。

 しかし、進展型小細胞肺癌(ED-SCLC)についてはJCOGで70歳以下の患者を対象に比較試験が実施されており、シスプラチン(CDDP)+CPT-11の併用療法(PI)が従来の標準治療CDDP+エトポシド(VP-16)の併用療法(PE)を大きく上回り、高齢者においてもCPT-11を含む併用療法の可能性を検討する必要があると考えられる。

 横浜市立市民病院での既治療例9例を含む70歳以上のSCLC患者18例に対するCBDCA+CPT-11併用療法(CI)の奏効率は89%、生存期間中央値(MST)は12.6カ月と良好で、毒性も許容範囲であった。

 猶木氏らは、高齢者のLD-SCLC患者を対象としてCBDCA+CPT-11併用および逐次胸部放射線治療(TRT)の多施設共同1 /2相試験を行い、将来の第3相試験における治療法の一つとなりうるかどうかを検討した。奏効についてはまだ確定していないものの、安全性については結果が得られたため、今回報告した。

 主要評価項目は、第I相試験では推奨投与量の決定、第2相試験では有害事象の発生割合、治療完遂率、奏効率とした。副次的評価項目は、全生存期間、無増悪生存期間とした。

 対象は、70歳以上でPSが0〜2、病理学的に小細胞肺癌が確認され、病期は限局型(LD)で、放射線治療や化学療法の既往がないなどの条件を満たす患者とした。

 レジメンについて、第I相試験では、レベル1としてCBDCAはAUC 4でday1、CPT-11は50mg/m2をday1とday8に投与した。レベル2としてCBDCAはAUC 5でday1、CPT-11は50mg/m2をday1とday8に投与し、3週毎の4コースとした。TRTは54Gy/27回とした。

 第1相試験のレベル1で6例を登録し、用量制限毒性(DLT)が2例以下でレベル2に移行し、レベル2でDLTが3例以上であればレベル1を至適投与量、レベル2で最大耐用量(MTD)が2例以下であれば至適投与量はレベル2と規定した。

 2007年2月からの登録数は7施設からの計12例(男性9例)。年齢中央値は72歳(70〜81歳)であった。既喫煙者と喫煙者はそれぞれ4人と6人で、2人は不明であった。

 レベル1で登録した6例中、DLTを1例(2コース目でグレード3の高血圧)に認めたが、DLTは2例以下であり、レベル2に移行した。レベル2で登録した6例中、2例でDLT(グレード4の血小板減少)を認めたが、その他のDLTはみられずに登録終了した。

 レベル1で得られた奏効は、完全奏効(CR)1例、部分奏効(PR)4例で、計83%となった。安定(SD)は1例で、進行(PD)はなかった。レベル2の奏効についてはまだ確定していない。

 海外の非高齢者を含む同時放射線療法の適応のないLD-SCLCを対象とした第2相試験では、本試験のレベル2と同量で比較的良好な成績が得られ、忍容可能であることが報告されている。猶木氏は「本試験の対象は高齢者であり、安全性に配慮するとレベル1が適切な可能性がある」としている。現在もTORG0604試験は進行中である。