高悪性度神経内分泌肺癌である肺大細胞神経内分泌癌(LCNEC)と肺小細胞癌(SCLC)に対するシスプラチンイリノテカンによる術後補助化学療法で、3年生存割合は81%、3年無再発生存割合は74%であることが多施設共同フェーズ2試験の生存解析で明らかになった。11月21日から東京で開催された第54回日本肺癌学会総会で、静岡がんセンター呼吸器内科の釼持広知氏らが発表した。

 対象は、完全切除された高悪性度神経内分泌肺癌(LCNEC、SCLC)、病理病期I-IIIA期、イリノテカン投与による毒性発現リスクの低いUGT1A1遺伝子多型の患者とした(UGT1A1*28ホモ、UGT1A1*6ホモ、UGT1A1*28ヘテロかつUGT1A1*6ヘテロ)。

 投与は4週おきに、シスプラチンは60mg/m2を1日目に、イリノテカンは60mg/m2を1、8、15日目に投与し、これを4サイクル行った。主要評価項目は3コース以上の化学療法完遂割合、副次評価項目は3年無再発生存割合、3年生存割合、有害事象発生割合と設定した。観察期間は3年とした。

 試験には40人が登録された。患者の年齢中央値は65歳、男性が34人で、組織型はLCNECが23人、SCLCが17人であった。病理病期別にはLCNECではIB期の患者が48%と最も多く、SCLCではIA期の患者が59%を占めた。

 この結果、3コースまで治療を完遂した患者が2人、4コースまで完遂した患者が31人であり、3コース以上の治療完遂割合は83%(90%信頼区間:71-90%)であった。

 今回の発表では、生存解析の結果が新たに報告された。3年生存割合は全体では81%、組織型別ではLCNECが86%、SCLCは74%だった。3年無再発生存割合は74%で、LCNECが74%、SCLCは76%だった。

 また病理病期別には、3年生存割合はI期の患者では84%、II-IIIA期では76%となった(p=0.5221)。3年無再発生存割合はI期が81%、II-IIIA期が61%だった(p=0.1795)。

 なお完全切除されたSCLCに対し、シスプラチンとエトポシドによる術後補助化学療法を4サイクル行ったフェーズ2試験(JCOG9101)では、3年生存割合は61%と報告されている。

 今回の試験の結果を受け、高悪性度神経内分泌肺癌の完全切除例を対象に、シスプラチンとイリノテカン併用療法とシスプラチンとエトポシド併用療法を比較するランダム化試験が現在実施されている(JCOG1205/1206)。登録予定数は各群110人、主要評価項目は全生存期間、副次評価項目は無再発生存期間、治療完遂割合、有害事象発生割合、重篤な有害事象発生割合、二次癌発生割合。登録期間は6年、観察期間は3年となっている。