EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)に対し、シスプラチンドセタキセルの途中挿入を行うゲフィチニブ療法において、無増悪生存期間(PFS)中央値は19.5カ月、全生存期間(OS)中央値は48カ月と良好であることが、フェーズ2試験で明らかになった。11月21日から22日まで東京で開催されている第54回日本肺癌学会総会で、国立がん研究センター中央病院呼吸器内科の神田慎太郎氏らが発表した。

 EGFR遺伝子変異陽性NSCLCの初回治療として、ゲフィチニブは高い有効性を示すが、ほとんどの患者で耐性化が認められる。そこで神田氏らは、ゲフィチニブが奏効して腫瘍が縮小した時点で一旦ゲフィチニブを休止し、プラチナ併用療法を行うことで、より長い無増悪生存が得られるとの仮説を立て、フェーズ2試験を実施した。

 対象は、IIIB/IV期または術後再発のNSCLCで、化学療法による治療歴がなく、EGFR遺伝子変異陽性(exon 19欠失変異、exon 21 L858R点変異)患者。ゲフィチニブは250mg/日を56日間投与し、その後、シスプラチン80mg/m2とドセタキセル60mg/m2の投与を3サイクル行った(71、92、113日目)。終了後、ゲフィチニブ250mg/日を病勢増悪まで投与した。

 主要評価項目は2年PFS割合。副次評価項目は奏効割合、病勢コントロール割合、OS、有害事象とした。目標症例数を33人として、うち11人以上で2年無増悪生存が得られれば、この治療は有効であると設定した。

 試験には34人が登録し、不適格例を除く33人にゲフィチニブが投与された。ゲフィチニブ投与終了は31人、シスプラチンとドセタキセルを投与した患者は28人、ゲフィチニブ投与を再開した患者は25人だった。評価可能であった33人のうち、2年無増悪生存が得られた患者は12人であり、試験治療は有効と判断された。この12人は初回ゲフィチニブ投与でPRを得られた患者だった。また、うち7人では治療を継続している。

 初回ゲフィチニブ投与における奏効率は69.7%、病勢コントロール率は94.0%、シスプラチン+ドセタキセルの奏効率は28.6%、病勢コントロール率は89.3%であった。

 1年PFS割合は67.0%、2年PFS割合は40.2%、3年PFS割合は36.9%で、PFS中央値は19.5カ月だった。1年生存率は90.6%、2年生存率は71.9%、3年生存率は64.8%で、OS中央値は48.0カ月だった。

 グレード3以上の有害事象は、白血球減少(G3:8人、G4:3人)、好中球減少(G3:3人、G4:14人)、発熱性好中球減少症(G3:4人)、食欲不振(G3:2人)、発疹(G3:1人)、AST上昇(G3:2人)、ALT上昇(G3:2人)であった。重篤な有害事象は認められなかった。

 以上の結果から、シスプラチン+ドセタキセルの途中挿入を行うゲフィチニブ療法は有望であるとし、現在、ゲフィチニブ単独投与と比較するフェーズ3試験を計画しているという。