エルロチニブ治療歴のある進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対して、イリノテカンとエルロチニブ併用療法は施行可能であり、フェーズ2試験における推奨用量はイリノテカン75mg/m2、エルロチニブ100mg/bodyであることがフェーズ1試験で明らかになった。11月21日から22日まで東京で開催されている第54回日本肺癌学会総会で、がん研究会有明病院呼吸器内科の工藤慶太氏らが発表した。現在、同用量でフェーズ2試験が実施されている。

 基礎的な検討において、EGFR-TKI耐性細胞においてイリノテカンの感受性が増強しており、EGFR-TKIとイリノテカンの併用で相乗効果を示すことが報告されている。

 フェーズ1試験は、エルロチニブ投与歴のある切除不能もしくは術後再発のNSCLCを対象に、イリノテカンとエルロチニブ併用療法における最大耐用量(MTD)の推定とフェーズ2試験への推奨用量の決定を目的として行われた。

 治療は1コースを28日として、イリノテカンを1日目、15日目に、エルロチニブを2-14日目、16-28日目に投与した。投与量はレベル1(イリノテカン100mg/m2、エルロチニブ100mg/body)から開始した。

 試験には9人が登録された。年齢中央値は64歳、男性が3人、全例が腺癌だった。EGFR遺伝子変異を有する患者は6人、3人は不明であった。前治療数は2レジメンの患者が1人、4レジメンが4人、5レジメンが4人だった。また6人はゲフィチニブの投与歴があった。エルロチニブの効果はPRが4人、SDが5人だった。

 レベル1で、3人を登録し、うち2人に用量制限毒性(DLT)が認められたため、3人を追加した。レベル1では計6人中、3人でDLT(白血球減少グレード4が2人、発熱性好中球減少グレード3が1人)が認められた。そのため、レベル0(イリノテカン75mg/m2、エルロチニブ100mg/body)に減量した。

 レベル0には3人が登録された。DLTは認められなかった。このためレベル1をMTD、レベル0を推奨用量と決定した。

 抗腫瘍効果は8人で検討され、PRが2人、SDが5人、PDが1人で、奏効率は25%、病勢制御率は88%となった。

 グレード3以上の有害事象は、レベル1において、白血球減少(G3:2人、G4:2人)、好中球減少(G3:1人、G4:2人)、ヘモグロビン低下(G3:1人)、血小板減少(G3:1人)が見られた。また全身倦怠感(G3:1人)、下痢(同)、食欲不振(同)、血清クレアチニン上昇(同)、発熱性好中球減少症(同)が認められた。