開発中の選択的ALK阻害剤CH5424802は、ALK陽性非小細胞肺癌(NSCLC)に対し、奏効率は93.5%と優れた抗腫瘍効果を示し、忍容性もあることが第1/2相臨床試験の中間報告で明らかになった。宮城県立がんセンター呼吸器科の前門戸任氏らが、11月8日から岡山市で開催された第53回日本肺癌学会総会で発表した。

 第1相試験部分では、ALK陽性のNSCLC患者に対する忍容性と良好な抗腫瘍効果が確認され、推奨用量は600mg/日、1日2回投与と決定された。

 この結果を受け、第2相試験部分では、1レジメン以上の前治療歴があり、ALK阻害剤による治療歴はないALK融合遺伝子陽性のNSCLC患者を対象として、CH5424802を600mg/日、1日2回経口投与し、病勢進行まで投与を継続するというデザインで行われた。

 主要評価項目は奏効率(独立評価委員会による評価)、副次評価項目は病勢コントロール率、無増悪生存期間、全生存期間、薬物動態、安全性と設定された。

 今回は登録された46人についての中間報告が行われた。患者の年齢中央値は48歳(26-75歳)、男性が22人、女性が24人で、非喫煙者が59%を占めた。ALK診断ではIHCかつFISH陽性が39人、細胞診検体でのRT-PCR陽性は7人であった。また前治療歴が1レジメンの患者は16人、2レジメンが12人、3レジメン以上が18人だった。

 主治医が評価した抗腫瘍効果は、完全奏効(CR)が3人、部分奏効(PR)が36人、病勢安定(SD)が5人で、奏効率は84.8%(95%信頼区間:71.1-93.7)だった。独立評価委員会による評価では、CRが2人、PRが41人、SDが1人で、奏効率は93.5%(同:82.1-98.6)となった。

 治療継続期間は2-46週以上で、46人のうち40人では治療が継続されている。

 30%以上の腫瘍縮小(PR)が見られた時期は、1サイクル目(3週間)だった患者が最も多く、続いて2、3サイクルであった。また5サイクル、9サイクル、11サイクルでもPRが認められたことから、前門戸氏は「持続的に効果をもたらしている可能性がある」とした。脳転移巣に対しても効果が見られる症例があった。

 主な副作用は、味覚異常が14人(30%)、AST増加が13人(28%)、皮疹と便秘が各11人(24%)、ALT増加と血中クレアチニン増加が各10人(22%)、好中球減少と血中ビリルビン増加が各8人(17%)、血中CPK増加が7人(15%)だった。ほとんどがグレード1/2であり、グレード3以上の有害事象は皮疹と好中球減少、血中CPK増加が各2人、ALT増加が1人であった。

 ALK阻害剤クリゾチニブで特徴的な視覚障害は、CH5424802では霧視、視野欠損、硝子体出血が各1人で、グレード3以上はなかった。消化器症状では悪心が6人、下痢が2人、嘔吐が1人で、いずれもグレード3以上は見られなかった。

 また減量を要する副作用はなかった。投与中止に至った副作用は3人で、硬化性胆管炎(グレード2)、間質性肺疾患(グレード1)、腫瘍出血(S状結腸転移、グレード3)によるものであった。

 以上の結果から、「CH5424802は、非小細胞肺癌に対する有用性が高い新規のALK阻害剤として期待される」と前門戸氏は述べた。