Short hydration法を用いた外来シスプラチン(CDDP)+ペメトレキセド(PEM)+ベバシズマブ(Bev)併用療法の単施設の検討から、PS 0または1で75歳未満の進行非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対し、安全に施行可能と考えられることが示された。11月8日から岡山市で開催された第53回日本肺癌学会総会で、埼玉県立がんセンター呼吸器内科の栗本太嗣氏が発表した。

 AVAPERL試験では、未治療の進行非扁平上皮NSCLCに対し、CDDP+PEM+Bev併用療法とPEM+Bevによる維持療法を行った群では、維持療法をBevのみで行った群と比較して無増悪生存期間(PFS)が有意に延長したことが報告されている。

 このレジメンは、EGFR遺伝子変異陽性例に対するEGFR-TKI療法以外の治療としてはきわめて有効性が高いと考えられる反面、投与時間が長く、利便性に欠け、コース毎に入院で行われることが一般的である。

 栗本氏らは、short hydration法によるCDDP高用量併用レジメンの忍容性を確認し、外来治療をルーチンに行っている。今回、CDDP+PEM+Bev併用療法の外来治療における忍容性を検討、報告した。

 対象は、切除不能、根治的放射線治療適応外の非扁平上皮NSCLCで、CDDP+PEM+Bev併用療法が可能と判断された患者。75歳未満でPSは0または1であることとした。

 Short hydration法を用いて、初回は入院でCDDP 75mg/m2+PEM 500mg/m2+Bev 15mg/kgを導入した。1日目の補液量は2000mLとし、マグネシウムなども補充した。2、3日目は経口補水1000mLとした。制吐療法はASCOガイドライン2011年版に準じ、1日目にパロノセトロン+ホスアプレピタントメグルミン+デキサメタゾンを点滴静注で投与し、2-4日目は経口デキサメタゾンを投与した。8日目まで観察して退院とし、以後通院治療に移行した。

 CDDP+PEM+Bev併用療法は3週毎に4コース行い、安定(SD)以上の効果が得られた患者には、進行(PD)を認めるまで維持療法としてPEM+Bev併用療法を3週毎に行った。

 CDDP+PEM+Bev併用療法の投与時間は、1コース目が約7時間、2コース目以降は約6時間となっている。
 
 2012年2月から8月までに同併用療法を施行した11人(年齢中央値67歳、男性3人)が対象となった。全例腺癌でIV期であり、EGFR遺伝子変異陽性例が6人含まれた。PS 0は8人、喫煙歴を有する患者は3人だった。
 
 結果として、CDDP+PEM+Bev併用療法を4コース完遂したのは10人、3コース完遂したのは1人だった。
 
 治療効果では、部分奏効(PR)が5人、SDが4人で得られ、PDを認めた患者はいなかった。維持療法に移行したのは10人だった。
 
 有害事象の発現頻度は低く、グレード3以上の事象では好中球減少、貧血、高カリウム血症が各1人に発現した。対象11人の血清クレアチニン値の推移をみると、変動は少なかった。

 埼玉県立がんセンターは、国立がんセンターがん研究開発費「外来化学療法における標準的管理システムの構築と普及を目指した研究」班の班員施設であり、通院治療センター病床数が現在の42床から60床に増床される予定である。栗本氏は「長時間レジメンを外来で行える診療体制の整備が望まれる。通院治療センターにおいては、長時間レジメンを稼働時間内に終了する工夫が必要」と話した。