進行非扁平上皮型非小細胞肺癌(NSCLC)に対するカルボプラチンペメトレキセド導入療法とその後のペメトレキセドによる維持療法は、70歳以上の高齢者においても70歳未満と同等の効果が期待できることが示された。11月8日から岡山市で開催された第53回日本肺癌学会総会で、がん研有明病院呼吸器内科の西尾誠人氏が発表した。

 高齢の非扁平上皮NSCLC患者の標準療法は細胞傷害性抗癌剤の単剤療法となっているが、最近、カルボプラチンによるプラチナ併用療法が単剤療法よりも優れている可能性が示された。

 そこで、西尾氏らは、ペメトレキセドの市販後臨床試験JACALのうち、70歳以上のサブグループを対象に、有効性と安全性の検討を行った。

 JACAL試験は、導入療法としてペメトレキセド(500mg/m2)+カルボプラチン(AUC 6)による導入療法後、ペメトレキセド(500mg/m2)による維持療法を行うデザインで行われた。109例が導入療法を行い、60例が維持療法に移行した。

 維持療法を行った60例のうち、70歳未満群は48例、70歳以上群は12例。患者背景には2群間に差はほとんどなかったが、ステージIIIBが70歳未満群で27%だったのに対し、70歳以上群では40%で、再発例は70歳未満群が5%だったのに対し、70歳以上群は0例だった。組織型や喫煙歴に差はなかったが、EGFR遺伝子変異について、陽性例が70歳未満群で19%だったのに対し、70歳以上群では32%と高い傾向にあった。

 検討の結果、PRは70歳未満群38%、70歳以上群24%、SDは70歳未満群36%、70歳以上群44%で、病勢コントロール率は70歳未満群74%、70歳以上群68%と大きな差はないと考えられた。

 無増悪生存期間は、70歳未満群5.8カ月、70歳以上群5.2カ月と差は見られなかった。全生存期間は、70歳未満群20.5カ月、70歳以上群16.8カ月で、70歳未満群でやや長い傾向にあったが、高齢者であっても16.8カ月と良好な成績だったと考えられた。

 導入療法時の有害事象については、グレード4の好中球減少、血小板減少が、70歳未満群に比べて70歳以上群で多く、高齢者において血液毒性が強かった。非血液毒性については2群間で差は認められなかった。

 維持療法時の有害事象について、グレード4の血液毒性は2群間で差はなかったが、グレード3の血液毒性は70歳以上群で多い傾向にあった。非血液学的毒性には差が見られなかった。

 支持療法については、導入療法時は、70歳以上群において輸血を行った割合が32%と70歳未満群の11%に比べて高く、G-CSF投与も70歳以上群16%、70歳未満群7%と多かった。維持療法時には2群間で差はなかった。

 治療サイクルについては、導入療法を4サイクル完遂できたのは70歳未満群(84例)では73%だったのに対し、70歳以上群(56例)では56%とやや低かったものの、維持療法では70歳未満群4サイクル(中央値)、70歳以上群5サイクル(中央値)と同等だった。

 有害事象により減量を必要とした症例は、70歳未満群で23%だったのに対し、70歳以上群では44%と多かったが、2段階減量を必要としたのは2群とも11〜12%と同等だった。

 これらの結果から西尾氏は、無増悪生存期間について高齢者と若年者の間で差はなく、全生存期間16.8カ月は高齢者の成績として良好だが、グレード3/4の血液毒性が若年者よりも多く、現在カルボプラチンの投与量はAUC 5で検討が進められていると語った。