75歳以上の高齢進行非扁平上皮型非小細胞肺癌(NSCLC)に対して、ペメトレキセド単剤療法は有効、安全で、高齢者にも使いやすい治療であることが確認された。11月8日から岡山市で開催された第53回日本肺癌学会総会で、京都大学呼吸器内科の金永学氏が発表した。

 高齢者の進行非扁平上皮型NSCLCに対する標準治療として、ビノレルビン、ドセタキセル、ゲムシタビンなどの単剤化学療法が認知されている。ペメトレキセドはセカンドライン治療としてドセタキセルと同等の有効性を示し、毒性は有意に低いことが報告されている。

 そこで同グループは、高齢進行非扁平上皮型NSCLCに対し、ペメトレキセド(day1に500mg/m2)を3週毎に4サイクルまで繰り返す治療を行った。PDの場合はプロトコール治療中止とし、CR、PR、SDの場合、ペメトレキセドの維持療法は自由選択とした。研究開始時点ではcontinuation維持療法のエビデンスはまだ確立していなかったため、維持療法は施行してもしなくてもよいというプロトコールとした。

 主要評価項目は奏効率、副次評価項目は1年生存率、全生存期間、無増悪生存期間、安全性と設定した。閾値奏効率を15%、期待奏効率を35%と設定した。適格基準は、手術療法や放射線治療の適応のないステージIIIB、IVまたは切除後再発例で、同意取得時の年齢が75歳以上、PSは0-1とした。症状を伴う脳転移症例、多量のあるいはコントロール不能な胸水を有する症例などは除外した。

 対象となった28例の患者背景は、年齢77歳(中央値)、男性と女性がそれぞれ14例ずつ、PS 1が21例、組織型は腺癌が27例、ステージIVが22例、喫煙歴ありが16例、EGFR遺伝子変異陽性例は8例、陰性例は15例だった。

 投与サイクル数については、17例が4サイクルを完遂し、1サイクル2例、2サイクル5例、3サイクル4例だった。プロトコール中止の理由は、病勢進行5例、有害事象5例、患者拒否が1例だった。4例は4コース終了後もペメトレキセドによる維持療法が行われた。

 腫瘍縮小効果は、PRが7例、SDが11例で、奏効率25%、病勢コントロール率は64%だった。

 無増悪生存期間中央値は3.3カ月、全生存期間中央値は17.5カ月だった。1年生存率は58%。

 血液毒性については、グレード3/4の白血球減少は18%、グレード3/4の好中球減少は29%だった。発熱性好中球減少は2例だった。グレード3/4のALT異常、AST異常についてはそれぞれ7%ずつで、肝機能への影響は少ないと考えられた。非血液学的毒性も軽度で、グレード3/4のものは多いものでも7%だった。

 減量を要した患者は1例で、グレード4の好中球減少だった。支持療法を要した患者は4例で、G-CSF投与が4例、輸血が必要だった症例はなかった。

 これらの結果から金氏は、期待奏効率は達成されなかったものの、ペメトレキセド単剤療法は抗腫瘍効果と毒性の両面において優れており、高齢者の進行非扁平上皮型NSCLCに対し、非常に使いやすい治療と考えられるとし、毒性が軽度であることからカルボプラチンとの併用にも期待が持てると締めくくった。