未治療の進行非扁平上皮型非小細胞肺癌(NSCLC)に対するカルボプラチンペメトレキセドとその後のペメトレキセドによる維持療法の全生存期間は20.2カ月、無増悪生存期間は5.6カ月で、有害事象も管理しやすいことが示された。市販後臨床試験JACALの最終解析結果から示されたもので、大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター肺腫瘍内科の平島智徳氏が、11月8日から岡山市で開催された第53回日本肺癌学会総会で発表した。

 JACAL試験は、扁平上皮型NSCLCに対するカルボプラチン+ペメトレキセドによる導入療法とその後のペメトレキセドによる維持療法の有効性、安全性を評価した試験で、主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、病勢コントロール率、奏効率、安全性が設定された。

 これまで18カ月フォローアップに関するデータが発表されているが、今回、24カ月の最終フォローアップ解析の結果を発表した。

 対象は化学療法未治療で、ステージIIIB、IV、または術後再発例。病勢が安定している脳転移例なども含まれている。

 111例が登録され、109例がカルボプラチン(AUC 6)+ペメトレキセド(500mg/m2)の導入療法を行い、このうち病勢進行(PD)もしくはその他の理由で治療を中止した患者を除き、60例がペメトレキセド(500mg/m2)による維持療法を行った。

 109例の患者背景は、年齢(中央値)63歳、男性が63%で、PSは0が34%、1が66%。ステージIIIBは30%、IVは66%、再発は4%。腺癌が97%で、禁煙者は61%、非喫煙者30%。EGFR遺伝子変異陽性例は22%、陰性例は58%、遺伝子変異不明/未検査例は20%だった。

 109例の全体の治療サイクル中央値は5サイクル(範囲1-38)で、維持療法を行った60例では維持療法治療サイクル中央値が4サイクル(範囲1-34)であった。

 109例のPFS(中央値)は5.6カ月で、90%信頼区間は4.3-7.2カ月、95%信頼区間は4.4-7.1カ月だった。PRが38例(35%)で、奏効率は35%だった。SD例は41例(38%)。

 全生存期間(中央値)は、全患者(109例)で20.2カ月、維持療法施行例(60例)はまだ中央値に到達していない。

 EGFR遺伝子変異の有無別に検討した結果、変異陽性例のOSはまだ中央値に達しておらず、変異陰性例でも19.4カ月と良好な結果が得られた。

 治療全体における有害事象については、重篤なものは少なく、グレード4の貧血、血小板減少、好中球減少についてはそれぞれ2%、14%、14%だった。非血液学的有害事象でグレード4は見られなかった。維持療法施行例における有害事象についても、グレード4の好中球減少が5%に見られた以外はグレード4の有害事象はなかった。

 後治療については、セカンドライン治療に移行できたのが全患者の82%、サードライン治療に移行できたのが49%と高率だった。EGFR遺伝子変異陽性例の83%は後治療でゲフィチニブあるいはエルロチニブを投与されており、一方、EGFR遺伝子変異陰性例における後治療で最も多かったのはドセタキセル(40%)だった。