EGFR遺伝子変異を有する進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者の初回治療として、ゲフィチニブペメトレキセドの併用療法(GP療法)を評価した第II相試験から、奏効率と無増悪生存期間(PFS)は良好で、毒性も認容可能と考えられることが示された。11月8日から岡山市で開催された第53回日本肺癌学会総会で、大阪市立大学医学部附属病院化学療法センターの吉村成央氏が発表した。

 ゲフィチニブはEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者のキードラッグであり、NSCLC細胞株においてThymidylate synthase(TS)の発現を抑制すること、そしてTSの低発現はNSCLC患者に対するペメトレキセドの効果予測因子であることが報告されている。

 吉村氏らは、EGFR遺伝子変異を有する進行NSCLC患者の初回治療としてのGP療法について、有効性と安全性を検討することを目的として第II相試験を実施した。目標登録症例数は26人、主要評価項目は奏効率とした。
 
 対象は、未治療の非扁平上皮NSCLCで、Exon19欠失変異またはExon21のL858R点突然変異を有する患者。根治的照射不能のIIIB期またはIV期であり、PS 0または1であることとした。
 
 1コースを3週として、ペメトレキセドは500mg/m2を1日目に点滴静注し、ゲフィチニブは250mg/bodyを2日目から16日目まで経口投与した。ゲフィチニブとペメトレキセドの併用における殺細胞性相乗効果は細胞周期に依存すると報告されていることから、休薬期間を設定した。治療はPDまで継続した。
 
 2010年5月から2012年8月までに22人(年齢中央値66歳、男性12人)が登録された。全例が腺癌で、IIIB期は1人、IV期は21人で、PSは0が2人、1が20人だった。喫煙歴を有する患者は12人だった。EGFR遺伝子変異のタイプでは、Exon19変異が10人、Exon21のL858R点変異が12人だった。転移部位では脳が11人で最も多かった。
 
 投与状況として、計282コースが施行され、投与コース数の中央値は13だった。現在も投与継続中の患者は6人である。減量を要したのは、ゲフィチニブ18.2%、ペメトレキセド13.6%だった。
 
 奏効の評価は全例で可能だった。PRが18人で得られ、奏効率は81.8%、病勢コントロール率(DCR)は95.5%となった。無増悪生存期間(PFS)中央値は18.2カ月、生存期間中央値(MST)は未到達である。
 
 血液毒性では、グレード4の事象は好中球減少の1人のみだった。グレード3/4では、白血球減少が9%、好中球減少が14%に発現した。グレード4の非血液毒性は発現せず、グレード3/4では、感染症が14%、AST/ALT上昇が9%、下痢・疲労・皮疹・肺臓炎が各5%に発現した。
 
 吉村氏は「ゲフィチニブ単剤療法に対し、GP療法の優越性を検証するランダム化第III相試験が必要」と話した。同試験は今後も症例を集積し、結果が報告される予定である。