間質性肺炎を合併した小細胞肺癌でも、初回化学療法によって予後が改善する可能性があり、プラチナ製剤とエトポシド併用による初回治療は有用であることがレトロスペクティブな解析で示された。11月3日から大阪市で開催された第52回日本肺癌学会総会で、国立がん研究センター東病院呼吸器内科の吉田達哉氏らが発表した。

 小細胞肺癌は化学療法に感受性が高いが、無治療では生存期間中央値は限局型で12週、進展型では5週といわれている。間質性肺炎と肺癌が合併することが多いが、間質性肺炎を合併した小細胞肺癌の予後についての報告は少なかった。
 
 吉田氏らは、2001年1月から2009年12月までに小細胞肺癌と診断した553人のうち、初回化学療法前に間質性肺炎を合併していた52人を対象に、その予後を分析した。
 
 年齢中央値は71歳、男性が50人、PS 0/1が88%を占めた。全例が喫煙歴ありで、病期は限局型が29人、進展型が23人だった。
 
 初回治療は、カルボプラチン+エトポシドが22人、シスプラチン+エトポシドが30人だった。予定した4コースの治療完遂率は61%だった。化学療法による効果は部分奏効が36人、病勢安定が9人、病勢進行が3人、評価不能が4人で、奏効率は限局型が72%、進展型が65%であった。また間質性肺炎の急性増悪が、カルボプラチン+エトポシドによる治療を受けた1人(2%)で認められた。
 
 二次治療以降は、アムルビシンが17人、シスプラチン+イリノテカンが9人、イリノテカン単剤が6人、カルボプラチン+エトポシドが5人、トポテカンが4人、シスプラチン+エトポシド+イリノテカンが2人、カルボプラチン+パクリタキセルが1人。間質性肺炎の急性増悪は、5人(10%)に認められ、初回治療時よりも多く、その直近の化学療法レジメンは、アムルビシンが3人、シスプラチン+エトポシド+イリノテカンが1人、トポテカンが1人だった。
 
 初回治療の無増悪生存期間(PFS)中央値は、全例では4.5カ月で、限局型が4.9カ月、進展型が3.8カ月だった。全生存期間(OS)中央値は、全例では9.3カ月で、限局型が10.6カ月、進展型が8.2カ月となった。
 
 この結果から、「間質性肺炎を合併した小細胞肺癌でも、化学療法を行うことで予後が改善する可能性がある」とし、プラチナ製剤とエトポシド併用で間質性肺炎の急性増悪の頻度が2%だったことから、「初回治療として有益なレジメンと考える」とまとめた。なお、今回の対象について通常型間質性肺炎(UIP)と非UIPに分けても、予後に大きな違いはなく、間質性肺炎の急性増悪にも統計的な差はなかったとした。