高悪性度神経内分泌肺癌である肺大細胞神経内分泌癌(LCNEC)と肺小細胞癌(SCLC)に対して、シスプラチンイリノテカンによる術後補助療法は安全に投与でき、完遂率も良好であることが多施設共同フェーズ2試験で明らかになった。11月3日から大阪市で開催された第52回日本肺癌学会総会で、静岡がんセンター呼吸器内科の釼持広知氏らが発表した。

 切除例での5年生存割合はSCLCで40.3%、LCNECは35.7%といわれている。しかし完全切除されたSCLCに対し、シスプラチンとエトポシドによる術後補助化学療法を検討したフェーズ2試験では、5年生存割合は57%と報告され、LCNECに対してもレトロスペクティブな解析で術後補助化学療法の有用性が示唆されている。また進展型SCLCに対し、シスプラチン+イリノテカンはシスプラチン+エトポシドよりも生存を改善することが報告されている(JCOG 9511)。

 そこで完全切除された高悪性度神経内分泌肺癌(SCLC、LCNEC)を対象に、シスプラチンとイリノテカンの術後補助化学療法の忍容性が評価された。投与は4週おきに、シスプラチンは60mg/m2を第1日に、イリノテカンは60mg/m2を第1日、8日、15日に投与し、これを4サイクル行った。主要評価項目は3コース以上の化学療法完遂割合とし、副次評価項目は3年無再発生存割合、3年生存割合、有害事象発生割合と設定した。

 40人が治療を受けた。患者の年齢中央値は65歳、男性が34人で、組織型はSCLCが16人、LCNECが24人だった。

 この結果、化学療法完遂割合は、3コースまでの患者が2人、4コースまで完遂した患者が31人であり、3コース以上の治療完遂割合は83%(95%信頼区間:63-91%)となった。事前に完遂割合の閾値を60%と設定していたことから、主要評価項目に達したことが示された。

 治療中止は7人で、毒性による中止が1人(グレード3の下痢)、毒性による患者拒否が3人、合併症(脳出血)が1人などだった。治療関連死はなかった。

 主な血液毒性は、グレード3/4の好中球減少が48%、ヘモグロビン減少が25%、白血球減少が18%、発熱性好中球減少は13%に見られた。非血液毒性では、グレード3の疲労が13%、悪心、食欲不振が各10%、下痢、嘔吐が各5%(各2人)だった。

 現在、試験は開始から1年半であり、「有効性については3年を経過してから報告する」と釼持氏は述べた。また良好な結果が得られた時は、シスプラチン+イリノテカンとシスプラチン+エトポシドを比較するフェーズ3試験が検討されているという。