化学療法既治療の進行非小細胞肺癌(NSCLC)の日本人患者において、セカンドライン治療としてのペメトレキセド500mg/m2(1日目)とエルロチニブ100〜150mg(2〜16日目)併用の忍容性は良好であることが、フェーズ1試験(OULCSG0901)から示された。11月3日から大阪市で開催された第52回日本肺癌学会総会で、大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫アレルギー内科の高橋良氏が発表した。

 ステージIVのNSCLCのセカンドライン治療では、ドセタキセル、ペメトレキセド、エルロチニブが単剤で推奨されているが、いずれも効果は限定的であり、新たな治療法の開発が必要である。

 高橋氏らは、ペメトレキセドとエルロチニブに着目した。前臨床試験で、NSCLC細胞株に対するペメトレキセドとエルロチニブの相加・相乗的な効果が報告され、同時投与またはペメトレキセド→エルロチニブの投与順で、より高い抗腫瘍効果が認められたからだ。海外ではすでにフェーズ2試験の推奨用量が決定されている。

 そこで日本人の既治療進行・再発NSCLC患者におけるペメトレキセドとエルロチニブの併用療法の安全性と有効性を検討する目的で、推奨投与量を決定するためにフェーズ1のOULCSG0901試験を実施した。登録期間は2009年8月から2011年3月で、主要評価項目は推奨投与量の決定、副次的評価項目は安全性だった。

 対象は、化学療法既治療・再発NSCLC患者のうち、非扁平上皮癌でステージIIIB/IV期、セカンドライン治療の症例とした。過去にHER系作用薬、ペメトレキセドの投与を受けた患者は除外した。

 用量制限毒性(DLT)の定義は、7日以上持続するグレード4の好中球減少または38℃以上の発熱を伴うグレード3以上の好中球減少、グレード4の血小板減少または血小板輸血、グレード3以上の非血液毒性(低Na血症、皮疹、悪心・嘔吐を除く)などとした。

 レベル1では、ペメトレキセド500mg/m2を1日目に、エルロチニブ100mgを2〜16日目に投与した。レベル2では、ペメトレキセド 500mg/m2を1日目に、エルロチニブ 150mgを2〜16日目に投与した。それぞれ3週毎に2サイクル投与し、安全性評価を行った。

 12人が登録され、このうち男性は9人、年齢中央値は66歳だった。腺癌は7人、大細胞癌は1人、その他4人。現在または過去に喫煙歴があるのは9人だった。EGFR遺伝子変異陽性は2人だった。レベル1、レベル2に各6人が割付けられた。

 レベル1でのDLTは2人(グレード4の好中球減少とグレード3のALT上昇)だったため、レベル2に移行した。レベル2でのDLTは1人(グレード3の下痢)だった。最大耐用量には達しなかったが、プロトコールに従い、レベル2の用量を推奨用量に決定した。

 両レベルにおいて、グレードは低かったものの、ヘモグロビン減少、悪心、食欲不振、疲労、皮疹などが高頻度で認められた。

 効果については、奏効率は25.0%、病勢コントロール率(DCR)は66.7%となった。

 欧州で行われたフェーズ2試験では、セカンドライン治療としてのペメトレキセド単剤とペメトレキセドとエルロチニブの併用が比較され、併用群で無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)が有意に改善した。この結果はASCO2011で報告されている。

 高橋氏は、今回決定された推奨用量において、現在フェーズ2試験が進行中であると話した。