若年者の進行肺癌患者を対象とした検討から、進行非小細胞肺癌NSCLC)に対する白金系抗癌剤を含む2剤併用化学療法の効果は、他の年齢層と同程度である可能性が示された。11月3日、4日と広島市で開催された第51回日本肺癌学会総会(JLCS2010)で、国立がん研究センター中央病院呼吸器内科の勝井智子氏が発表した。

 若年者の肺癌は5〜10%と比較的稀で、高齢者の肺癌と比べてIII期またはIV期が多いことが報告されている。一方で、これまでに若年者の肺癌に対する化学療法の効果に関する報告は少ない。

 勝井氏らは、40歳以下の若年者における切除不能進行肺癌患者の背景と化学療法の効果について、レトロスペクティブに検討した。

 対象は、2001年1月から2009年12月までに同院でIIIB期またはIV期、術後再発の進行肺癌と診断し、化学療法(術後補助化学療法のみを除く)を行った患者のうち、40歳以下の患者77人。72人はNSCLC、5人は小細胞肺癌(SCLC)だった。

 NSCLCの72人(うち男性39人、年齢中央値35.5歳)のうち、IIIB期は19人(26.4%)、IV期は47人(65.3%)、術後再発は6人(8.3%)だった。組織型は腺癌が67人(93.1%)を占めた。EGFR遺伝子変異については57人(79.2%)が調べられていなかった。陽性が確認されたのは5人(6.9%)、陰性は10人(13.9%)だった。

 ファーストライン治療を行ったのは72人で、白金系抗癌剤を含む2剤併用化学療法で治療した65人の奏効率は32.3%だった。EGFR-TKIで治療した5人では40.0%だった。

 セカンドライン治療を行ったのは56人で、白金系抗癌剤を含む2剤併用化学療法で治療した9人の奏効率は11.1%、EGFR-TKIで治療した25人では24.0%だった。

 ファーストライン、セカンドラインを含め、治療ラインのいずれかでEGFR-TKIを使用した患者は39人で、その奏効率は23.0%となった。EGFR-TKIを使用した39人中、EGFR遺伝子変異陽性が確認されていたのは2人で、そのうち1人で奏効を認めた。

 NSCLC患者の生存期間中央値(MST)は17.5カ月、1年生存率は63.9%だった。

 一方、SCLCでファーストライン治療を行った5人の奏効率は20%、セカンドライン治療を行った3人の奏効率は0%だった。

 SCLCで奏効率が低かった理由として、勝井氏は、5人中3人に小円形細胞を認め、ユーイング肉腫またはPrimitive Neuroectodermal Tumor(PNET)も否定できないことを挙げた。