扁平上皮癌を除く進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対するカルボプラチンペメトレキセド併用療法へのベバシズマブ追加で、奏効率ならびに無増悪生存期間に上乗せ効果が認められることが、レトロスペクティブな解析で示された。関西医科大学附属枚方病院呼吸器内科の鳥居芳太郎氏らが、11月3日、4日と広島市で開催された第51回日本肺癌学会総会(JLCS2010)で発表した。

 進行NSCLCに対する一次治療はプラチナベースの化学療法が標準だったが、プラチナベースの化学療法にベバシズマブを追加することで、無増悪生存期間が延長することが、ECOG4599試験やAVAiL試験、JO19907試験で示されている。国内では、ペメトレキセドが2009年5月に、ベバシズマブが2009年11月に、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対して承認されている。

 鳥居氏らは、NSCLCの一次治療として、カルボプラチンとペメトレキセド併用療法もしくはカルボプラチンとペメトレキセド、ベバシズマブの併用療法を行った患者を対象に、その有効性と安全性を比較した。対象は2009年6月から2010年7月までに、カルボプラチンとペメトレキセド併用療法で治療した9人(CP群)とカルボプラチンとペメトレキセド、ベバシズマブの併用療法の20人(CPB群)。

 このうち男性がCP群は8人(88.9%)、CPB群は15人(75.0%)、年齢中央値はCP群が69.5歳、CPB群は64.5歳で、PS 0/1がCP群は5人(55.6%)、CPB群は19人(95.0%)と、CPB群の方がPSは良好な傾向があった。また腺癌がCP群は77.8%、CPB群は100%であり、両群とも後治療が施行されている患者が多かった。

 治療効果は、30%以上の腫瘍縮小が認められた患者が、CP群は44.4%だが、CPB群は75%と、ベバシズマブ併用群の方が奏効率は高く、CPB群では完全奏効も2人で認められた。なお、ECOG4599試験でカルボプラチンとパクリタキセル、ベバシズマブ併用の奏効率は35%、AVAiL試験のシスプラチンとゲムシタビン、ベバシズマブの併用では35〜38%、JO19907試験のカルボプラチンとパクリタキセル、ベバシズマブの併用は60.7%と報告されている。

 主なグレード3/4の有害事象は、好中球減少がCP群は33.3%、CPB群は45.0%で、貧血がそれぞれ33.3%、15.0%、血小板減少が33.3%、30.0%で、両群間で発生率に違いはなく、いずれの有害事象も管理可能だった。なお、CPB群ではグレード3の蛋白尿が1人に見られたが、一時的な休薬で対応可能だったという。

 無増悪生存期間中央値は、CP群は183日、CPB群は258日であった(p=0.2693)。

 これらの結果から鳥居氏らは、「CPB群はPS良好例の割合がやや高く、この影響は否めないが、カルボプラチンとペメトレキセド併用療法に対しても、ベバシズマブの上乗せ効果が期待できる」と指摘した。