扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌(NSCLC)の一次治療に、ベバシズマブシスプラチンペメトレキセド併用療法は忍容性が高く、有効であることがレトロスペクティブな解析で示された。九州がんセンター呼吸器科の北島寛元氏らが、11月3日、4日と広島市で開催された第51回日本肺癌学会総会(JLCS2010)で発表した。

 進行NSCLCに対する一次治療として、ベバシズマブとプラチナベースの化学療法との併用療法は、ECOG4599試験やAVAiL試験で、抗腫瘍効果や無増悪生存期間の延長が報告されている。国内では2009年11月から、扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対して、ベバシズマブの使用が可能になった。

 北島氏らが行ったレトロスペクティブ解析は、2009年11月から2010年9月までに、一次治療としてベバシズマブとシスプラチン、ペメトレキセドが投与されたNSCLC患者21人を対象に行われた。扁平上皮癌を除くステージ3B/4期のNSCLC患者で、このうち男性が11人、年齢中央値は60歳。ステージ3B期が2人、ステージ4期が19人。EGFR変異陽性が1人、陰性が17人、不明が3人だった。

 3週置きに、第1日にベバシズマブ 15mg/kgとシスプラチン 75mg/m2、ペメトレキセド500mg/m2を4から6サイクル投与した。ベバシズマブの投与は病勢進行まで継続された。

 この結果、10人が6サイクルを完遂し、4から6サイクル終了後に13人がベバシズマブ単剤による維持療法に移行した。病勢増悪による治療中止は1人、グレード3の胃潰瘍による中止が1人だった。

 抗腫瘍効果は、部分奏効が15人、病勢安定が6人で、奏効率は71%であった。

 グレード3の有害事象は,好中球減少が5人、白血球減少が3人、食欲不振が2人、疲労が1人、嘔吐が1人であり、高血圧、胃潰瘍、憩室炎がそれぞれ1人だった。

 なお、西日本がん研究機構(WJOG)では、非扁平上皮NSCLC に対し、ベバシズマブとカルボプラチン、ペメトレキセド併用療法による導入治療後、維持治療としてペメトレキセドとベバシズマブ併用療法とベバシズマブ単剤を比較するフェーズ3試験を開始している。この点について北島氏は、「脳転移の既往例などは、ベバシズマブとシスプラチン、ペメトレキセド併用療法が考慮されることになるだろう」との見解を示した。