間質性肺炎の経過観察中に肺癌の診断に至った症例の検討から、定期的に画像診断を行っていても進行期での発見が約半数に上ることが分かった。肺癌との鑑別を要する陰影については、CTで慎重な経過観察を行う必要がある。11月3日、4日と広島市で開催された第51回日本肺癌学会総会(JLCS2010)で、東京医科歯科大学医学部呼吸器内科の筒井俊晴氏が発表した。

 間質性肺炎は肺癌合併率が高く、特発性間質性肺炎(IP)では4〜15%で肺癌合併が報告されている。間質性肺炎では肺癌が予後規定因子になることも少なくない。

 筒井氏らは、同院において間質性肺炎の治療経過観察中に発見、診断に至った肺癌患者について検討した。

 対象は、2006年4月から2010年3月までの5年間に同院で診断した肺癌患者13人(うち男性11人、平均年齢67.8歳)。初診時から肺癌の合併が疑われた症例は除外し、経過観察中に発症したと思われる症例のみを選択した。

 初診時から診断までの日数は平均1043日(42〜2679日)だった。間質性肺炎の原因は、特発性肺線維症5人、膠原病肺4人、慢性過敏性肺炎3人、石綿肺1人だった。発見動機は、CTが9人、X線が3人、気管支鏡が1人で、気管支鏡はIPの精査のために行われたものだった。自覚症状を有する患者はいなかった。

 組織型は、腺癌が7人、扁平上皮癌4人、腺扁平上皮癌1人、小細胞癌1人だった。診断時の臨床病期は、IAが5人、IBが2人、IIIAが1人、IVが5人だった。治療は、手術が6人、化学療法が6人、支持療法が1人に行われた。

 肺癌は診断した時点で進行期であることが多いが、自覚症状がなく、定期的に画像診断を行っている状況においても進行期での発見が半数を占めていた。原因として、胸部X線のみでは間質性変化の中で異常影を指摘することは困難であり、また胸部CTで結節影やすりガラス様陰影(GGO)が出現しても炎症性変化との鑑別に難渋することが考えられた。

 筒井氏は、特発性肺線維症(IPF)、慢性過敏性肺炎(CHP)、石綿肺の症例について、発見時と診断時の胸部CT画像を提示した。嚢胞性変化や間質性変化の中で異常影を指摘することは困難な場合が多いため、鑑別を要すると考えられる陰影が出現した場合は、撮影の間隔を通常よりも短縮して追跡している。

 筒井氏は、「肺癌合併の可能性を念頭に置き、鑑別を要する陰影が出現した患者では、胸部CTによる慎重な陰影の経過観察が重要」と強調した。